姉とわたし③_ケイドロで生まれた新しい職種

ケイドロ。
地域にによってはドロケイ。

皆さんご存じかと思いますが念のためざっくり説明いたしますと、
メンバーが「警察」と「泥棒」の2組に分かれて
捕まえたり、捕まえられたり、仲間を脱獄させたりする
いわば鬼ごっこの一種です。
(Wikipediaより)

私も幼少期、よくケイドロで遊んでました。
メンバーは近所に住んでいた幼馴染達と、
もちろん、姉。

ところが私は、以前noteにも投稿しましたように生粋の運動音痴。

足も遅いしどんくさい。
それに加え幼馴染達の中では私が一番年下だったため、
相当足手まといだったようでして。

警察役にしても泥棒役にしても、
とにかく私がメンバーの中にいるだけで
流れを止めてしまう感じだったんでしょうね。

ある日姉が
私に新たな役を任命しました。

「看守」という
ケイドロの世界で聞いたこともない職種を。

看守は、
捕まった(牢屋の中の)泥棒をじっと見守り、
警察役が通り過ぎる度に敬礼をする、そんなおしごと。
※ちなみに泥棒が逃げても追いません。
※じゃあ看守とちゃうやないか。(Byミルクボーイ)

私たちのケイドロは
広範囲で、かつ自転車を使って行われていました。

だから、ゲームがスタートし一斉に全員が散らばってしまうと
看守はいったん、ぽつんなわけです。
だって見守るべき「捕獲済み泥棒」が、いないから。

たまに自転車(猛スピード)で走り去る警察役達。
その背中に懸命に敬礼していたことを
昨日のことのように思い出せます。

ビューーーン!
……サッ!!
※反射神経も悪いので、敬礼すら遅い。

当時は誰もやらない新しい役を任命されて
嬉しい、とすら思っていましたが、

この役、必要あった?
ねえ、お姉ちゃん、あの職種、何やったん?

勝敗には全く関係ない。
走らない。
追わない。
追われない。

果たして私は何をしていたのだろうか。

……。

みんなと同じペースで遊べない私を、
それでも遊びに参加させるための、
姉なりの優しさだったのか。

役に立たない私に業を煮やした姉の
怒りの配置転換(捜査官→看守)だったのか。

真相は闇の中です。

※後者に1票。

***「姉とわたし④_机を拭いただけなのに」に続く。

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