想定5分 BL声劇『男だっていいだろ？』 作 沖ママ

『男だっていいだろ？』 作 沖ママ

男A『攻め』、男B『受け』

男A
「ふふふ～んっと。」

男B
「なんだ？随分とご機嫌だな。」

男A
「だって～。君とこうしてチョコレート選びに来てるんだよ～！？嬉しくないはずがないじゃないか！」

男B
「お、おぅ……。そうだな。コイツ、こんなキャラだっけか？」

男A
「ねぇねぇ！見て！女の子がいっぱい！」

男B
「そりゃそうだろ！ここ、チョコレート売り場だぞ！？」

男A
「あっ、そっか。そうだよね。」

男B
「おいおい、大丈夫か？」

男A
「大丈夫さ。俺たち、めっちゃ浮いてるけどね。」

男B
「しかも学校の制服だし。」

男A
「あ～、なになに？女の子たちの目を気にしてるのかな？」

男B
「へ、変な噂とか立ったりしないよな？」

男A
「た、立ったり……。」

男B
「しー！ここ、チョコレート売り場だから！」

男A
「あ、うん。ごめん。」

男B
「お、このチョコレートなんてどうだ？」

男A
「ん？どれどれ？」

男B
「ほら、これだよ。この鳥さんのやつ。どっかで見たことあるようなキャラクターだよな。」

男A
「あ～、ホントだ。なんだっけ？確かにどっかで見たことあるかも。あ、ねぇ。これは？」

男B
「ん？どれだ？」

男A
「ちょっ……と。ダメだって。」

男B
「ん？どうした？」

男A
「そんなに顔、近付けたら……。」

男B
「キス、したくなっちゃう？」

男A
「……うん。」

男B
「そう言いながら、さっきからずっと俺の制服の袖(そで)、掴んでるのはなんだ？」

男A
「だって、女の子いっぱいいて怖いんだよ。ねぇ、はぐれちゃ……嫌だよ。」

男B
「くっ……。お、お前な……ここでその上目遣いはヤバいって。」

男A
「えぇ！？だって……。」

男B
「目を潤ませるな！」

男A
「……あのさ……。」

男B
「……な、なんだよ？」

男A
「あの、車の形したやつ！チョコレートあれがいい！」

男B
「はぁぁ……。チョコレートの話しか……。んじゃ、俺は……。お、あれがいい！」

男A
「ん？どれ？」

男B
「ほら、野球のバットとボールのチョコレート！」

男A
「バット……と……ボール……。」

男B
「お、お前なんか変な想像してないか！？俺、単純に野球が好きなだけだからな！」

男A
「野球してる男の子が好きなの？」

男B
「バ、バカ！……言わせるなよ。」

男A
「あはは。さ、レジに行こうよ。」

男B
「あぁ。」

《間を開ける》

男A
「ねぇ、このチョコレートさ……一緒に食べない？」

男B
「お前のだけ食べるのはズルだろ。俺のもだ。」

男A
「ふふふ、そうだね。それじゃあ、交互に食べようか。」

男B
「んじゃ、まずは俺からな。あ～ん。」

男A
「あ、ダメだよ！」

男B《食べながら》
「何がダメなんだよ？」

男A
「何がって、そんなに一度に食べちゃダメだよ！」

男B
「あ……すまん。」

男A
「あ～ぁ、1口がデカイんだよなぁ。」

男B
「んぁ？何がデカイって？」

男A
「ちょっと、問題発言だよ、それ。」

男B
「チョコレート売り場でキスしたくなっちゃうって言ってたヤツに言われたくはないけどな。」

男A
「ひっどいなあ。じゃあ今度は俺の番。あ～ん。」

男B
「どうだ？美味いか？」

男A《食べながら》
「ん、美味い。」

男B
「なんかさ。」

男A
「ん？どした？」

男B
「こうやってお互いにチョコレート食うの見てるのとか、結構クルよな。」

男A
「分かる！なんかこう……興奮する！」

男B
「何でだろうな。普通にメシ食ってるのとかそうでもないのに、チョコレート食ってるのは見ちゃうわ。」

男A
「ホントそれ。何でだろうね。はい、あ～ん。」

男B
「おま……ちょっと待て。」

男A《酔い気味》
「ん～どうしたのかなぁ？」

男B
「何かいつにも増して……もしかして。お前の選んだやつ……やっぱりか。これ、洋酒入ってんじゃねぇか！？」

男A《酔い気味》
「俺はいつも通りだよ？お前の事が大好きなただの、お・と・こ。」

男B
「お前……待て待て待て！」

男A《酔い気味》
「ふぇ？」

男B
「服を脱ぐな！しかもそういう時だけ動き早いのなんだよ！？」

男A《酔い気味》
「え～！？暑いからさぁ、仕方ないだろ？」

男B
「そう言いながら俺の服を脱がすな！」

男A《酔い気味》
「ふふふ、俺の方がチカラ、強いんじゃないかなぁ？」

男B
「くっ……確かに……。強ぇ。この俺が……負ける！？」

男A《酔い気味》
「あははは、俺の勝ちだ！ねぇ、大好きだよ。いただきま～す！」

男B
「あーーーー！！！」

終わり