文字と言葉との出会い


もともと、文字を書く事は好きではなかった。
小学生の頃はボールを追いかけては走り回っており、ソフトボール小僧、サッカー少年だったのだ。中学生ともなるとソフトボールは軟式野球になり、野球というスポーツに引き込まれていく。部活も野球部に入り、白球を追いかけていたんだ……。

なんて言えたらカッコつくんだけれど……。現実は違う。確かに野球には引き込まれた。

グラウンドでプレーする事だけが
全てでは無かったから

ボールのない所での選手の動き。心理戦。そして個々の力。何だこれ。めちゃめちゃ頭脳スポーツじゃん!と、思ったから。因みに、サッカー部がなかったので野球に引き込まれたのもある。

気付いたからのめり込んだ

実際の私は中学時代に野球はやっていない。
何故か?許可が下りなかったから。に他ならない。そして、私が他の部活に正式加入するまでに半年。ある程度の運動許可が下りるまでに数ヶ月を要した。

中学、高校時代に、
長時間の持続的な運動は禁止された。

水泳、陸上、などの体育は禁止。部活などもある程度の休憩が適度に挟めるもの。屋内でのものに限定された。そうして時間を持て余す事になる。

私は授業終わりに暇を持て余して、部活に精を出す生徒を良く眺めていた。陸上、テニス、野球にその他……。凄くキラキラしていたなぁと今でもうっすら思い出せる。ちょうどよく眺められるところは無いかな?と思い立ち、図書室にたどり着く。図書室の一角。よく分からない本が置いてある棚の近くの隅の方。
そこからの眺めが最高だった。グラウンド、人、周囲の建物、雲、空。全てのバランスが整って、動く絵画を見ていられるような。そんな場所。正式に部活加入が決まるまで、なんなら部活を時々サボってまで通っていた。
図書室であるから、図書室に居る理由を作らなくてはならない。ではどうするか?

本を借りるしかない

同然だろうとは思う。そうしなければ図書室に居られる理由はないからだ。当時、何を借りて何を読んでいたのかは思い出せないが、ただひとつ言えることは、窓の外にある動く絵画よりも本に書かれている活字に目を奪われる頻度が次第に多くなって行ったという事だ。

こうして私は、文字と言葉に出会い、引き込まれていく。

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