保育所は無くなってもバス停名は保育所前
沖縄県西原町に「西原保育所前」というバス停がある。
「西原保育所」の前にあるのだろうと思っていたが、バス停の前にあったのは「西原保育園」であった。
バス停名が間違っているのだが、理由を探ると、平成25年以前は「西原保育所」であったことが確認できた。
ほかの保育所前バス停は?
この「(公立)保育所」であるが減少傾向のようで、町立西原保育所のように民間に引き継がれ「保育園」になるパターンや、公立幼稚園と統合され「こども園」となる事例が増えているようである。
となると、ほかの「保育所前」バス停が気になる。
沖縄本島内には「保育所前」とつくバス停は、西原町以外には糸満市、豊見城市の2か所にあるようである。この2か所は西原町のとは異なり、「○○保育所前」とはならず、単なる「保育所前」バス停である。
糸満市の保育所前
糸満市の保育所前バス停があるのは、糸満市真壁という地区であり、琉球バス交通の107番/108番・南部循環線が通っている。ただ、Googleマップで見てみたが、バス停の近くに「保育所」らしき建物は見当たらない。
真壁地区なので「真壁保育所」という保育所があったのではないか・・・と思い調べてみると、予想的中で「糸満市立認定こども園設置条例」に「真壁保育所」に関する記述が出てきた。条例中での書き順とは逆に下から(①⇒③)と読み解いていく。
地図にすると以下の通りである。
つまり2016年3月31日までは確かに「保育所前バス停」の前には「真壁保育所」があったのだが、同年4月1日に「真壁こども園」になり、この時点でバス停名と施設名が一致しなくなった。これだけであればまだよかったのだが、その後(糸満市のプレス$${^1}$$によると同年10月ごろ?)別の場所に移転してしまったことから、そもそも施設自体がなくなってしまった。
この経緯をバス会社は知らずのためか、保育所は無いのに保育所前バス停だけが残ってしまっている。
豊見城市の保育所前
豊見城市の「保育所前」バス停は、豊見城市上田地区にある。那覇バスの45番・与根線が通っている。Googleマップで見てみたが、こちらも糸満市と同様、バス停の近くに「保育所」らしき建物は見当たらない。
糸満市同様に、豊見城市上田地区なので「上田保育所」という保育所の存在を調べてみると、所在地と平成28年(2016年)3月31日をもって閉所(予定)という情報を見つけた。
よって、こちらも既に「上田保育所」は無くなってしまったが、「保育所前バス停」だけが残っている状態のようである。ただ糸満市の例とは違い、移転前の場所でもバス停からはちょっと離れすぎている感が否めない。
市議会の議事録によると昭和47年(1972年)に建設されて、平成28年(2016年)時点で44年経過ということなので、元はバス停近くに立地していたのが移転・・・というわけでもなさそうである。ほかに付ける名称がなかったのかもしれない。
保育所が近くに無い「保育所前」バス停に
沖縄本島内3か所のそれぞれの「保育所前」バス停の由来であった「保育所」は、1か所は「保育園」に名称が変更(西原町)、1か所が移転かつ「こども園」に名称が変更(糸満市)、もう1か所は「保育所」そのものがなくなってしまっており(豊見城市)、いずれも保育所が近くに無い「保育所前」バス停になってしまった。
脚注
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