ネタバレ。大人になる事とは?97年からリアルタイムでシン・エヴァンゲリオン
こんにちは。リアルタイムで97年の映画を経験しこの前シンエヴァに辿り着いた底辺YouTuber、バーのオーナー、沖縄移住者、男の感想です。
1997年夏Air/まごころを、君に
自転車をこいで映画館に見に行ったような記憶がある。確か暑かったような気がする。多分そんな季節だった。
(ご存じのように)エヴァはTVシリーズの最終回で登場人物の内面世界の描写に重点を置き、物語的伏線の回収を放棄したような終わり方をした。
主人公のシンジ君は転校生で年上のミサトさんと同棲。父親は使徒から地球を守るネルフの司令官。天真爛漫なアスカ。ミステリアスなレイ。かっこいいエヴァ。。。
今思えばそれは子供心をくすぐって魅了するには十分すぎる設定だった。
(昔の事なので曖昧だが)結構夢中になって見ていた気がする。
しかし最終回まで見ても謎は謎のまま。すごーくモヤモヤしたのを覚えている。だって(僕の中では)最後はロボットアニメらしくド派手な最終決戦で悪が成敗されて全ては明るみに出るはずだった。
意味が分からないよ!
だから僕は映画を見に行った。それは覚えている。映画を見てTVシリーズのモヤモヤに決着をつけたかった。
でもそこでももちろん裏切られる。謎なんか全然解決されない。
曖昧な記憶しか残ってないけれど映画を見てる最中「これは僕は一体何をみているんだろう」と思った。
映画を見終わった後も当然カタルシスなんてなかった。TVシリーズの謎解きを期待して見に行ったのに。。。
意味が分からないよ!
これが子供だった僕にとっての精一杯の感想だ。
こうしてエヴァの謎は永遠に解決されないまま僕はどんどん大人になった。エヴァについては子供の頃に社会現象になったロボットアニメがあったなぁ程度の認識のまま恋をしたり受験したりであっという間に社会人になった。
2020年コロナでヱヴァンゲリヲン新劇場版
コロナ渦の影響か否かヱヴァンゲリヲン新劇場版なるものがYouTubeで無料公開されていた。
謎が謎のまま残されたヱヴァという作品に根強く熱狂的なファンが多くいる事は承知していた。
でも僕は97年の映画の時にそれを追いかけ考察する熱心なファンにはならなかった。興味のある事はこの世界には他にいくらでもあったのだ。
それでもコロナ渦でちょうど巣籠状態だった僕は暇つぶしに見てみる事にした。もちろん思い出補正もあった。序、破、Qの違いも新劇場版の意味すら分からず見始めた。
結果。。。シンジ君ってこんなにヘタレだったっけ?
大人はわかってくれない。僕は無力な子供です的気持ちはわかるけど、それにしても腰抜け過ぎる。予想以上に酷い。現実と向き合わない、誰かのせいにして現状打破を試みない。
昔はシンジ君の立場や気持ちにもっと寄り添って見ていたような気がするけど、
まぁ僕も大人になったんだな、と結論を出した。
でもなんだか少し寂しい気もした。
あの暑かった日、ワクワクしながら映画館に急いだ97年を思い出したからかもしれない。
そしてシン・エヴァンゲリオンへ
まず、なぜ見に行ったのか。
正直に言うとそれはツイッターかなんかで今回で本当に終わりだとネタバレを見たからだ。
とにかくちゃんと終幕する事が話題になる作品も凄いですよね。
どうやら、伏線もかなり回収され謎も解かれたらしい。
これは見るしかない。青春を返せ!とまでは言えないけれど、97年の在りし夏の日にケリをつけるんだ。
結果。。。主人公ムーブのシンジ君がかっこいいんですけど?
感想(ネタバレ)
作中では大人になった登場人物たちが描かれていた。精神的にもそうだし実際トウジ君もミサトさんも親になっちゃってた。ゲンドウさんも自分の弱さを認めることで成仏した。
自分自身の愚かさを認める事、愚かさを生み出した弱さを認める事、大人になる事、その先に命を紡いでいく事なんかがこの映画のテーマの一つだと感じた。
成長物語。そして親になる的なメッセージ。
それらを暗示する描写が作中にかなりの頻度で登場する。
(野良猫とか妊婦さんとか子供とかノアの箱舟とか)
まず僕たちはリアルタイムでこの社会現象を起こしたエヴァという作品を経験した。そして月日は流れ大人なった僕たちは命を繋ぐ事をテーマとするエヴァの終劇を目撃する。
完璧すぎるよ。庵野さん。。。
あとバーテンだから言うけど長く寝かしたウイスキーにしか出せない味がある。もちろんただ長く寝かせば美味しいウイスキーになるなんて事はない。エヴァはTVシリーズから新劇場版で完結するまでの長い(長すぎる)時間をこの上なく上手に使ったんだ。
そして最後、実写の世界の中へアニメーションのシンジ君は歩いて消えていく。
なるほど、エヴァと言う夢は終わり、みんな現実の世界へ帰って行くんだ。
映画を通して感じた事の全ては上手く書ききれないけど、僕は映画を見終わって97年の夏の日の一瞬をはっきり思い出した気がしてる。あの胸の高鳴りも湿った夏の午後の匂いも、エヴァの謎は解けなかったけどあの頃は世界自体が解くべき謎で満ち溢れていたことも。
やぁ泣き虫シンジ君。ようやくこっちの世界に来たね。胸の大きないい女に逃げられないように頑張れよ。うん。僕も頑張ってるよ。ドラゴンフルーツを爆破したりちんすこうでジェンガしてみたりね。
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