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No.888 不自由は、楽さ!

「ん?この花は何だろう?」
花の名前は、とんと、さっぱり、ちっとも分からない、すっとこどっこいの私です。

「でも、安心してください。Googleレンズというアプリがありますよ!」
と、どこまでも明るい安村さんのようなフレーズで探し当てました。団地の家のブロック塀の片隅に、ひっそり息をしながら控えめに咲いていたのがトップ画像の花です。

その花は「フリージア・ラクサ」だと「レンズ探索機能」は表示しました。「ヒメヒオウギ」とは別称なのか、似た種なのかスッキリしませんが、雑草のたくましさで、4月から5月頃まで庭のあちこちで咲くそうです。
 
一般に顕花草(花を咲かせ、実を結び、種子ができる高等な種子植物)として知られているフリージア・ラクサは、ケニアから南アフリカ北東部にかけて、アフリカ東部と南部に生息するアヤメ科の球茎顕花植物の小さな種で、観賞植物として庭で育つとありました。ヒメヒオウギ(姫檜扇)は、観賞用として大正時代(1912年~1926年)に移入したそうですから、フリージア・ラクサもそのころに同じ道を歩んだのかもしれません。

恐らく路傍で野生化したものだろうと思われますが、100軒ほどあるわが団地内でも、ここだけでしか見られないので、ゆかしく思っています。
「属名のfreesiaの由来は、デンマーク植物学者のChristian Friedrich Ecklonが、親友のドイツ人医師のフレーゼ(F・H・T・Freese)に献名した事に因みます。種小名のlaxaはラテン語で『ゆるい』『ルーズ』を意味しています。」
という説明もありました。たしかに、のどやかにゆったりと咲いています。
 
人知れず、庭の片隅であっても不自由をかこたず、ささやかに、一途に咲いている姿が美しく思ったので、1枚いただいた次第です。渡来して100年前後が経つようです。

「フリージア・ラクサ」の名は、私には「不自由は、楽さ」と聞こえます。