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No.663 私の「若紫」やーい!

今日、10月5日は「世界教師デー (World Teachers' Day) だそうです。国連が定めた国際デーの一つで1994年(平成6年)から開催され、30年近くなろうとしています。
「世界中の教育者の立場を認め、評価し、改善する」
ことに焦点をあて、教育の普及、子供の健全な教育の推進を目的としているようです。
 
日本では馴染みにくい国際デーのようですが、外国では盛んに行われていると聞きます。明日が10月5日の国もあるでしょうが、海外でお住いの皆さんの国では、どうでしょうか?私が敬愛するさいたま市のH先生は、今日がお誕生日。心からお祝い申し上げます。
 
話は変わりますが、数年前、秋晴れではあったけれど、暑い日中が何日間も続いたことがありました。毎日書いたコラムにこんなのを見つけました。
「午後3時半。暑いなぁ、散歩に行くには早すぎたか?と後悔したが、愛犬は行く気満々。こんな時、気の弱い我が身を呪いたくなってしまう。
 散歩途中の農道で、赤い運動帽をかぶった小学校1年生の女の子に出逢った。ランドセルを背負い、右手にも左手にも荷物を引き摺るようにして持っている。長い髪の毛が顔にかかるが、掻き上げるのも面倒くさそうな雰囲気だった。
『おかえり!』
と声を懸けると、
『可愛いワンちゃんですね!』
と髪の間から覗いた目が笑っている。大人びた応えだ。
『チョコちゃんて言う女の子だよ!』
と私も精一杯の微笑み返しをすると、
『うちにね、ぬいぐるみがあるの。チョコっていう犬なんだけど。顔だけ作ったの。』 
『へえ、おんなじ名前か。ヨロシクネ!』
と言葉を交わして『バイバイ!』と別れた。
 我が家のチョコは、立ち上がれば彼女の背丈以上だ。後ずさりしたり、わざと遠回りしたりする小学生が多いのに、近寄って来て愛想よく話す。人の言動は、小1前後で既に決まるものなのか?楽しいやりとりだった。お河童髪で、『雀の子を犬君が逃がしつる』(源氏物語)と泣きじゃくる「若紫」のことをなぜか思い起こしてしまった。」
 
あの日出逢った少女とは、その後数回会話の機会がありましたが、ずいぶん年月が経ち、最近はとんと見かけません。それもそのはず、今では14歳~15歳になっているはずですから立派な中学生でしょう。自転車で颯爽と風を切って登下校する娘さんか?我々の散歩の時間帯に出逢えるチャンスはないだろうし、会えたとしても顔を見分ける自信もありません。
 
時が過ぎるということは、そんなこともそんな意味も含まれています。残念ではあるけれど…。それゆえに、心からの祈りも生まれてくるのです。私の中の「若紫」が、さまざまな学びを通して、うららに清く気高く成長して行きますようにと。

※画像は、クリエイター・ムラサキさんの、タイトル「横浜人形の家『後藤由香子追悼展』に行きました。」をかたじけなくしました。世界観ある作品ですね。お礼申し上げます。