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No.982 宿題は終わりましたか?

いよいよ夏休みも終わりに近づき、全国には、小学生たちが、夏休みの課題の取り組みに「余裕シャクシャク派」と「余裕クシャクシャ派」に分かれて時を過ごしているのだろうなと思っていました。
 
ところが、私たちの子どもの頃と違って、最近は一律に9月1日が2学期の始業日ではないのですね。ネットの「日本文化研究ブログ Japan Culture Lab」に令和5年度の全国の都道府県の県庁所在地の公立の小中高校を参考にした夏休み期間の一覧表がありました。
 
それによると、夏休みの始まりは7月21日か7月22日とほぼ足並みはそろっていましたが、2学期の始まりは、それぞれの市でまちまちでした。数えたところ、
8月21日~ 2市
8月22日~ 2市
8月24日~ 2市
8月25日~10市(21,3%)
8月28日~ 9市(19,1%)
8月29日~ 6市(12,8%)
8月30日~ 3市
9月 1日~13市(27,7%)
となっていました。同じ都道府県内でも市町村によっては、2学期の開始が異なる学校もあることだろうと思います。

8月21日~8月24日に新学期を始めるのは、信越(1)、東北(4)、北海道の地方です。
8月25日に2学期を始める傾向にあるのは東北(2)、関東(1)、近畿(4)、中国(1)、九州(2)のように全国的な傾向がありました。
9月1日の開始は、信越(1)、中部(2)、近畿(1)、中国(3)、四国(4)、九州(2)のように西日本の地方でした。
 
以上から、東北地方は夏休みが短く、近畿以西は夏休みが長い傾向にあることが分かりました。東北・北海道は昔から夏休みは少し短く、冬休みが少し長いのかもしれません。法令的に何かの基準があるのかも知れませんが、基本的には、各地の教育委員会の裁量で決められるのではないかと思います。
 
昔とは違い、学校には冷暖房が備え付けられるようになり、授業そのものに大きな支障はなさそうに思われます。ただし、8月下旬とは言え猛暑日が続く中、屋外での催しや登下校などは、大変だろうと思います。子供の頃の我々の経験したことのない暑さでしょう。
 
夏休みは、「座学」では学べない貴重な体験学習が期待できます。学校教育だけではなく、地域や社会など、国内外を問わず、多くの大人たちの協力を得ながら、子供たちの成長に幅広い有益な活動の時間がもたらされる事は論をまたないと思います。
 
とはいえ、余儀なくされる社会の変革や家庭の環境が変わりつつある昨今、夏休みの在り方や形態も変化の時代の過渡期を迎えているということになるのかも知れません。
 
目まぐるしく移り変わる社会や世界の情勢ですが、未来を切り開く子どもたちにとって、大人の都合や理屈ではなく、主役の子どもたちが不在にならない長期休暇の在り方に期待したいと思います。

「夏休賑やかに部屋狭まりぬ」
 伊藤月江「雲の峰」より


※画像は、クリエイター・かぼてぃーさんの、タイトル「能動的に生きることで人生が動き出す」の1葉をかたじけなくしました。宿題に励む真剣な目が印象的です。お礼を申し上げます。