No.352 新友?親友?信友?心友?真友?
自らを「文筆業」と称した池田晶子さん(1960年~2007年)は、病魔に冒されて46歳の生涯を閉じた新進気鋭の哲学者でした。その著書『14歳からの哲学』には興味深い話がたくさん載っています。
「本当の友情、本当の友だちこそがほしいのだけど、いない、と悩んでいる人が多いみたいだ。でも、いなければいないでいい、見つかるまでは一人でいいと、なぜ思えないのだろう。
一人でいることに耐えられない、自分の孤独に耐えられないということだね。でも、自分の孤独に耐えられない人が、その孤独に耐えられないために求めるような友だちは、やっぱり本当の友だちじゃないんだ。本当の友情というのは、自分の孤独に耐えられるもの同士の間でなければ、生まれるものでは決してないんだ。なぜだと思う?」
この自問に筆者は次のように答えます。
「自分の孤独に耐えられるということは、自分で自分を認めることができる、自分を愛することができるということだからだ。孤独を愛することができるということは、自分を愛することができるということなんだ。そして、自分を愛することができない人に、どうして他人を愛することができるだろう。一見それは他人を愛しているように見えても、じつは自分を愛してくれる他人を求めているだけで、その人そのものを愛しているわけでは本当はない。愛してくれるなら愛してあげるなんて計算が、愛であるわけがないとわかるね。」
私達は、友人の存在を期待します。でも、本当の友は、簡単には見つかりません。池田さんの言うように、「孤独を愛する」ことのできる人が、真の友情をつかめるのでしょうか?
あなたの「しんゆう」は、新友ですか?親友ですか?深友ですか?それとも、信友ですか?心友ですか?真友ですか?いろんな「しんゆう」ですか?