昨日のコラムで紹介した名言、
「どんな不幸を吸っても、吐く息は感謝でありますように。」
には聖書か何か出典がありそうに思い、調べました。興味深い記事がみつかりました。
この名言を広く紹介されたのは、シスターの渡辺和子さんでした。
そして、その渡辺和子さんご自身が、あの名言を述べた人物について語っておられた記事を見つけました。それは、茅ケ崎恵泉教会でのお説教の中にありました。
牧師・河野進(1904年~1990年)氏は、和歌山県の出身。日本基督教団玉島教会の牧師で詩人。日本キリスト教救ライ協会理事、「聖良寛文学賞」を受賞された人でもあるそうです。1976年勲五等瑞宝章を受章されていました。
渡辺和子(1927年~2016年)さんは、北海道旭川の出身です。父は、陸軍将校の渡辺錠太郎です。父親の転勤で東京へ移り、和子さんが9歳の時に二・二六事件(1936年)が起きました。当時、陸軍大将で教育総監だった父親は青年将校たちの凶弾に斃れた時、その惨劇を眼前で見た悲運の女性です。カトリック修道女となり、ノートルダム清心学園理事長を務めました。また、1984年にマザー・テレサが来日した際には通訳を務められた方です。『置かれた場所で咲きなさい』(幻冬社、2012年)は、200万部を超えるベストセラーにもなりました。
その渡辺和子さんが務められたノートルダム清心女子大学の正面玄関には、牧師・河野進さんが書かれた小さな詩がかけられているそうです。
「天の父さま
どんな不幸を吸っても
吐く息は感謝でありますように
すべては恵みの呼吸ですから」
行き合えたような、邂逅えたような心持がして、なんだか、とてもスッキリしました。そして、信仰の言葉と力を強く感じさせられました。
※画像は、クリエイター・kaka.さんの「日没の風景です。教会と沈む太陽をおさめました。」という1葉をかたじけなくしました。お礼申し上げます。今日も、吐く息の感謝を感じながら、お話が行われることでしょうか。