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No.513 最初はグー、ジャンケンポン!

あなたは、ジャンケンに強い方ですか?最初に何を出しますか?私は、ついつい手に力が籠ってしまい「グー」を出しがちです。勝率は…。

このジャンケンについて、今から20年以上も前の大分合同新聞「灯」欄に、県立芸術文化短期大学名誉教授の高橋正臣先生が、「『ジャンケン』と『性格』」と題する寄稿をしておられました。以下、全文を紹介します。

 かつて本欄で、「血液型と性格を関連づける科学的根拠は発見されていない(従って、血液型で性格をうんぬんするのは危ない)」と書いたところ、ある女性から“それでも私は信ずるわよ”と言われたことがある。こうなればどうぞご自由にと言うしかない。
 『グー型』のタイプは「権威型」-権威をかざすが半面権威に弱く、責任感・意志は強いが単純で頑固、柔軟性に欠けるものが多い(心理学では「粘着性性格」)。
 『チョキ型』は「マイウエー型」で、権威や人とは関係なくわが道を行くタイプ。繊細な感覚を持ち、自分に関心のあることには一生懸命だが、反面お天気屋である(心理学的には「内閉性性格」)。
 『パー型』は「融通型」で、融通性があり、社交的で世話好きだが、人に左右される。大ざっぱで抜けるところがあり、小心で守勢にまわりがち(心理学的には「躁うつ性性格」)。
 面白いことには、グー型性格はチョキ型には強いがパー型には弱く、パー型性格はグー型には強いがチョキ型には弱い。チョキ型性格はパー型には強いがグー型には弱い。いわゆる三すくみである。
 この性格判断は、某大学拳法(けんぽう)部の監督が試合に勝つために編み出した、“ジャンケン人間学”である。心理学的にまことに鋭い“勘”といえる。
 この組み合わせで夫婦の相性を見ると、驚くなかれピタリと当たるのである。

以上が、その記事でした。高橋先生の完爾とした顔写真と簡潔にして明瞭な文章が、なんとも魅力的でありました。私は、先生の論に力を得て、カミさんに
「ジャンケンは、何を最初に出す?」
と訊きました。チョキであって欲しいという願いも空しく、わが妻は、かく語りき。
「グーよ!」