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No.550 古都で感じた思い出話 その1

もう、ふた昔も前の事になりますが、娘の大学進学の部屋探しや日用品を買いそろえるために、数日間京都に滞在しました。その時の思い出話を聞いてやってください。
 
京都の市バスをよく利用させてもらいました。感動したのは、バス停に着くとバスが少し傾いて低くなることです。「となりのトトロ」の猫バスの昇降口がビローンと下がるサービスとダブってしまいました。京都市バスのノンステップバスは、ニーリングという車高調整装置がついており、「膝をつく」という意味だそうです。子供や、足腰が悪い年配の方向けに開発されたそうですが、細やかな心遣いにイイネ×10回です。
 
そのバスの車内に「運転手募集案内」が貼られていました。しつこいようですが、ふた昔も前のお話です。見ると「国籍・性別・学歴不問」とあったので、正直言って驚きました。さすがに年齢だけは不問と言う訳にはいかなかったようですが、しっかり者はどこの国にもいるという考えの募集のかけ方に、何か教えられた気がしました。
 
しかし、裏を返せば、バスの運転手へのなり手が少ないという事の表れでしょう。市バスは、文字通り市民の足です。なだらかなだらだら坂の多い京都、暑さや寒さの厳しい京都の人々にとって、移動の際の生活の一部ともいえるバスの貢献度は言うまでもありません。そんな足代わりになってくれるバスの運転手さんの仕事も、外国人に頼らねばならない時代を迎えようとしていたのでしょうか。
 
市内バスは、全区間一律220円でした。下車する時、「おおきに!」と気さくに客に言葉を掛けてくれます。その抑揚のある声を聞くと、「ああ、京都にいるんだなあ!」という実感がわきました。採用されたら、外国人運転手さんも「オオキニ!」と笑顔で言ってくれるのでしょうか。「郷に入りては郷に従え」ということで。
 
今日、京都市内を走るバスの運転手さんで、外国の方はいらっしゃるのでしょうか?