「火の用心 マッチ一本 火事の元」
は、1953年(昭和28年)に東京消防庁により選ばれ口ずさまれ続けている標語だと言います。今から70年も前の標語だったのですね。
1952年~1954年にかけて菊田一夫の『君の名は』がNHKラジオで放送されました。昭和28年の川柳に「この冬を暖かくいる真知子巻き」(田口麦彦)とあるくらい「真知子巻き」が流行したそうです。
さて、日本で初めてマッチが作られたのは1875年(明治8)年のことだそうです。一般社団法人 日本燐寸工業会のホームページによると、
とありました。戦後、燐寸は一般に普及し、各家庭で利用されました。子供でも使いやすく、弄火の一因ともなったようですし、煙草を点ける火種でもあったでしょう。
ところで、「全国統一防火標語」は、1966年(昭和41年)度から消防庁と日本損害保険協会が共催で毎年防災事業の一環として行っているもので、防火意識の高揚を図ることを目的に、広く一般から募集しています。今年の最優秀作品と過年度(1955年まで)の一覧を掲げてみます。
どれも甲乙つけがたい優秀な作品であることは一目瞭然です。私は、特に、
平成9年度(1997)
「つけた火は ちゃんと消すまで あなたの火」
の「あなたの火」にやられました。最後まできちんと責任を持ちなさいと言う事でしょう。本当にその通りで、肝に銘じたいところです。
つい先日も、麦茶を作ろうと鍋に水を入れコンロの火をつけたまま、すっかり忘れてコロナワクチンの注射を打ちに出かけたという大失態を演じた当の本人です。幸い、自動的に消火するコンロだったので本当に助かりました。一つ間違っていたらと思うと寒気が走ります。
今や「マッチ一本」は「指一本」に代わりましたが、指だけではなく、心も用いなければいけないなと改めて感じた次第です。
※画像は、クリエイター・しょうさんの1葉をかたじけなくしました。マッチの小さな明かりでも、周りを照らし、温かみを届けてくれます。お礼申します。