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No.759 幾つになっても「初めて」のことってありますね!

「ブリーフシステム」の言葉を知ったのは、つい先日の「作家カウンセラーでコーチング」さんの記事によってです。昭和生まれの私は、「男性用下着」の「ブリーフ(briefs)」のことかと思っていましたが、「信念」を意味する「ブリーフ」(belief)のことだそうで、知力の貧困さが露呈してしまいました。

その方の題名「見え方が変わってくる」(note、2023年1月6日)には、
「見えている世界が、今までと変わって見えてくる、
そんな経験ありませんか?
例えば、デートでみる夕焼けは、普段見るものと違ってみえたり、
楽しい仲間との食事は、普段とは違って見えたり・・・
例えば、資格試験に合格した前と後。
例えば、結婚や引っ越し、自分の生活環境が変わった前と後。
みんな、同じに見えて違っている。
それは、ブリーフシステム(自分の認知の方法とか信じているもの)が変わったから。」
と説明されていました。
 
「清水へ 祇園をよぎる 桜月夜 こよひ逢ふ人 みなうつくしき」
与謝野晶子の『みだれ髪』(臙脂紫)の18番目に載せられた歌です。歌集『みだれ髪』は、1901年(明治34年)に東京新詩社・伊藤文友館より発行されています。敬慕する与謝野鉄幹との出会いによって、晶子の浮き立つ心が下の句に集約されているように思いますが、普通にすれ違う人々が、「こよひ逢ふ人みなうつくし」と見えたのも、ブリーフシステムのなせる業だったのでしょうか?晶子ったら!
 
そう思ったとき、「疑心暗鬼」の話を思い出しました。
中国の思想家・列禦寇(れつぎょこう)という人の著した『列子』(説符)に、「疑心暗鬼」の語源となったとされる短い話があります。これが、なかなか面白いんです。
 
「ある男が鉞(まさかり)をなくしました。 隣の息子が怪しい。
その息子の歩き方を見ると、どうも盗んだように見えます。
顔つきも盗んだように見えます。ことばつきも盗んだように見えます。
やる事なす事、みな鉞を盗んだように見えてくるのです。  
ところが、その後、谷間を掘っていると思いがけないところから鉞が見つかりました。
それからは、隣の息子のやることなすこと盗んだようには見えなかったといいます。」
 
そんな気持ちにおちいったことはないでしょうか?確信は持てないけれども、何だか怪しい。すでに顔が怪しい、行動が怪しい、話し方が怪しい…。そう思い始めると、とことん疑り深くなって、もう間違いなくあの人だと思い込んでしまう、そんな経験は?
 
ところが、こちらの勝手な思い込みだったと後でわかると、相手が別人のように見えてくるのです。この中国の、鉞(まさかり)を亡くした男も、ブリーフシステムによって見え方が変わったということなのでしょうか?列禦寇に教えてあげたい気持ちになりました。
 
「作家カウンセラーでコーチング」さんの導きのお陰です。感謝!


※画像は、クリエイター・おかのくらさんの、タイトル「天狗の住む山散歩」をかたじけなくしました。日本で「まさかり」と言ったら「金太郎」です。お礼申します。