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#28 しりうす・ぶらっく

全世界に魔法をかけたファンタジー・アドベンチャーの最高傑作『ハリー・ポッター』。prime videoで追加料金なしで見られるようになっていたので映画の全作品を見返してみた。

この作品を通して思ったことは、当時のわたしは幼かったということだ。
見返してみて、作品の所々に次の展開が匂わせられていることや"例のあの人"の冷酷さが完全ではないことに気づかされた。

例として、『ハリー・ポッターと賢者の石』におけるフラグとツッコミどころを列挙する。

<ホグワーツ特急 車内にて>
・車内販売のお菓子を買い占めるハリー「ぜーんぶちょうだい。」
←親の遺産を無駄使いするなよ!まあ子供だからお金の使い方はわからないか。というか魔法世界ではどうやってお金を稼ぐの?

・ハリーとロンに対するハーマイオニーの発言
「ヒキガエルを見なかった?ネビルのカエルが逃げたの。」
←まだ会ったことがないはずのネビルだが、誰?とはならず会話が進む。(何をやるにしても不器用なネビルが後にでてくるが、物語の最後の最後で大仕事をやってのける。裏テーマがネビルの成長物語といっても過言ではない)

<トロールとの戦い後>
・駆けつけたマクゴナガル先生の後ろにいるクィレルの顔が引きつっている(終盤で黒幕と判明)
・魔法使いのチェスを楽しむハリーとロン(後に命をかけたチェス勝負が待っている)

見ての通りフラグ回収はしっかりとした作品なのだが、邪悪さを感じさせる"例のあの人"には、優しさが時折垣間見れた。
特に優しさが見えたのが、『ハリー・ポッターと死の秘宝PART2』にて"例のあの人"側が優勢だった戦いのさなかに一時休戦を申し入れたところだ。禁じられた呪文を使い続ければ終わらせることができたところを、ハリーへの因縁に執着しすぎて結果負けるという大ボケをかましていた。完全なる悪人を描いてしまうと子どもたちの閲覧できないもの(R指定)になってしまうので仕方のないことだとは思うが、少しそこで冷めてしまった。

そんな物語で、わたしが一番好きなシーンはハリーの名付け親"シリウス・ブラック"(しりうす・ぶらっく)が他の不死鳥の騎士団メンバーとともに神秘部で死喰い人に捕まったハリーたちを助けにくるところだ。もう大丈夫だという安心感を与えてくれたのも束の間、まさかの展開となり残念ではあったが、まるで我が子のようにハリーを大切にするシリウスに惹かれた。

両親を皮切りに次々と大切な人を失ったが、ホグワーツ魔法魔術学校の教職員・学生や不死鳥の騎士団、空飛ぶ車、屋敷しもべ妖精など色々なものに救われたハリー。死を制することのできる死の秘宝を手にしたものの、それらを手放した(透明マントはまだ持っているかも)。人は覚悟を決めると慰めを振り払い(蘇りの石を捨て)、前へ進める。わたしも親族の死があった際に同じ対応をとれるだろうか。

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