爪噛み休止からもうすぐ1年。

私には昔から闘う悪癖がある。
爪噛みである。
物心着いた時にはすっかり癖になっていて、私は19歳まで爪切りで手の爪を切ったことがないほどだった。
成人式にネイルがしたいという思いで、一時止んで無事にネイルができたのだが、その後潰瘍性大腸炎が発覚。
長い入院生活は痛みやら慣れない環境やらでストレスに溢れていて再発。
昨年まで爪を噛み続けてボロボロにしていた。


現在はかなり綺麗な状態を保てている。
そのきっかけは、昨年の4月にパーパーというコンビを組んでいるのお笑い芸人のほしのディスコさんのサイン本お渡し会に行ったことである。


当時私は、なんとなくほしのさんのことが気になっていてよくYouTubeで彼の歌ってみた動画を見ていた。
その中でTani Yuukiさんの『W/X/Y』という曲を聞いた時に、あまりの歌声の透明感とその歌唱姿の愛おしさで一瞬にして「なんとなく気になる」が「好き」に変わってしまった。
その後、ほしのさんが自伝的エッセイ『星屑物語』を出版するという話を知った。
しかも、渋谷で本のお渡し会イベントがあるというではないか。
これは行ってみるしかない。
私はいつも好きだと思った人には会いに行って、自分の気持ちや相手がどんな人であるか確かめたくなる。
すぐさまイベント参加券付きの本を購入した。


本を貰うということは、すなわち手を見られる可能性が十分にあるということである。
ふと私の手元を見る、ボロボロの深爪&皮むけ。
これではいけない、こんな手を見せられない。
ええかっこしいの私はこんな自分で会いに行くことが許せなかった。
幸い約1ヶ月ほど余裕があった。
今から我慢すれば、イベントまでには一応酷い状態からは抜け出せているはず。
私は覚悟を決めた。


根本的に私はええかっこしいなので、自然と努力ができた。
努力をしたという感覚もそれほどない。
ただ、とにかくほしのディスコさんの前ではできる限り美しくありたいと思って生活を始めただけである。
恋というか、誰かへの憧れは人を美しくするというのは本当だ。
みるみる手の状態は良くなっていき、調子乗った私はきちんとハンドクリームでケアまでして予想よりも美しい手の状態で当日を迎えられた。


それから、来月で1年になる。
剥けた皮が気になってしまうことはあるものの、爪噛みは一応今も落ち着いている。
噛みたいという衝動はあるのだが、ええかっこしいブレーキのおかげで良い状態を保てている。
美しくあるために、定期的に好きな人に会いに行くというのは私には効果的なのかもしれない。
実際昨年も森下能幸さんを好きになって、12月の舞台を見に行くために3ヶ月かけてジワジワと3kgほど落とすことに成功している。
体重よりも見た目が変わり、ちょっとしたK-POPアイドルに近づきつつあった。


今は、ちょっとばかり気が抜けてしまった体をまた美しく仕上げようと毎日だらけたい自分とバチバチのバトルをしている。
5月くらいを目標に出来る範囲で、愛する人たちの前でええかっこしいの自分を保てる美しさを取り戻したい。

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