見出し画像

私は何者か、番外編 a dozen 短歌 36


生きているそれはなんだろ死んでいるそれはなんだろ水は流れる

昨日見た水に浮かんだ雨の輪の同じところにふたたび咲かぬ

挨拶をしない人がいて驚いて踵の骨がコツンと痛い

雨の降る一日中を雨の降る誰かにもらったキャンディ舐める

泣いてみて鳴いてもみたり小鳥来るだからわたしのお庭はエデン

遠くない未来と言えるその先を歩くためなら靴などいらぬ

確かめてその喉仏夏の日のふたりゴロゴロ裏山みどり

霰ならちょっと歓迎なにもない日々に刺激のパラリパラルリ

傘さして嫌いな人など見なきゃいい傘の内なるオデッセイ

化粧してだれになるのかわたくしの毎日の顔毎日は偽

もっともっと駆けて行ったらわたくしの身体もいつか裏がえし

海底の名前も知らぬ生物の涙が積もり海となりぬる


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?