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私は何者か、番外編 a dozen 短歌 28


そのことがどのことなのかわかるまいだから私の時間返して

明け方の西空高く冬月か天の窓から白いてふてふ

クエ食んで遠い海原思うときどれほどのこといいえなんにも

風のない場所なら私どこでもいいこの永遠の腕枕もって

森へゆく誰も知らない木が茂り誰も覗かぬ虚があるなら

滝の音と多分思うの目を瞑りそのまま真っ直ぐ我も落ちゆく

金よりも銀よりも青永遠をこの手のひらに浮かべてみせて

コピー機の憂鬱消せるボールペン消して失くさずそんなジレンマ

音立てず息づいているシングルセル微かに笑ふ冬の水辺に

音のない方へ枯葉は舞い降りるそしてしばらくじっとしている

白紙で手を切る痛さ一月の告げられもせずそんなさよなら

月光の眩しすぎるとは摩訶不思議己がひとり光るわけなく


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