私は何者か、番外編 a dozen 短歌 42
耳鳴りと雨樋伝う春の水仲良くなったらつぎはお別れ
走り去るものに雨音約束のハートのかたちの新芽ください
金曜の耳朶染めるブルーアワー短い髪をくしゃくしゃ撫でて
最後の葉の最後のしずくさよならの時間なんてのはそんなものだよ
此処しばらく月を見てないそんなこと考えながら東京ばな奈
見つけたり見つけられたり探しつつ探されてもいるサンクチュアリ
見つけてはいけないなんて言ってない見つけてほしいとも思ってない
覗き込む23時の天気予報わたしのための低気圧かも
金曜と土曜のあわい曖昧なI my meなるわたしmyself
ハグだってまだだよ君の居眠りの静かに更けて音のない雨
雨の降る前の香りよ薔薇でなくジャスミンでもない夜へ急げよ
右足の小さな黒子大切に育てしものをいつか放たん
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?