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私は何者か、336


朝からひどい風である。週末のデートなし。人は束縛の元一縷の光を幸せと感じるのか、不吉な予兆と捉えるのか。そこから出るというのは、勇気がいるかもしれないし、いなければならない理由をたくさん並べては満足しきっているのかもしれない。自分のなかの虚淵にじっとしているのはどちらにせよ居心地の悪いものではなかろう。考えているなどと大それたことを言いつつ、ただ不安にのたうっているだけかもしれない。何手先まで読むか。つまりは負けぬため。勝ちたいわけではない。

放っておいて欲しい。などと、あくまでも内向的。虚淵は拡がり狭まり伸びて縮む。自在のなかでそれは自由でもなく不自由でもなく、ただの自己である。

庭に小鳥がくる。いつもくる小鳥。春の陽射しに物言わずぴよんと跳ねる。呼ばれたわけでもないがそっとカーテンを開けるとそこに居るのである。

虚淵を出るか。いや。

どこかで聞いたことのあるような。


私は何者か。

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