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どうせ2日で終わる日記-46-【3/14-3/20】

マナ

もっと早くに

この日記を書いている今日、あるイベントが催されており、僕はそこにいた。
それが、学生向けクイズ大会"abc"だ。

https://abc-dive.com/portal/

このクイズ大会は学生向けの大会としては日本最大規模で、今年も600人強が参加していたらしい。
僕も日曜クイズプレイヤーとして、一度は大会に出てみたいと考えていたのだが、数ヶ月前にこの大会の存在を知り、参加を決めたのだ。

しかし、聞くところによるとこの大会のために青春を対策に注ぐ人もいるほどの大会だそうで、競技クイズを初めて一年も経っていない、碌な対策をしていない、そもそも早押しボタンを押したことすらない自分が参加して何になるだろうか。
そんな思いも巡った。
それでも僕が参加を決めたのは、この大会が大学生までしか参加できないこと(つまり僕はラストイヤー)、クイズの大会に出てみたかったこと、そして何とかなるだろうと半分高を括っていたことにあるだろう。
いくら対策量が膨大でも、数ヶ月もあれば優勝、などという過ぎた妄想は無くとも、予選のペーパーテストくらいなら抜けられるだろう、そう考えていた。

しかし、それが甘かった。
そもそも大学4年の今、趣味にかまけているほどの時間がある訳無い。
言い訳のようで申し訳ない、というか言い訳そのものだが、そういう訳で数ヶ月ずっとクイズをすれば、という僕の計画はそもそも破綻していた。
12月に対策を少しした後は、結局三月頭まで手をつけることができなかった。

そして何より、この大会のレベルは僕の想像の100倍高かったといっても過言では無かった。
言っておくが僕だって何もわからなかった訳じゃなく、四択クイズは70点は超えていた。これが高いのか低いのかは分からないが、過去問をいくつか解いた経験からすれば、自分の中ではそれなりに取れた方だった。
しかし、話を聞いてみると予選通過したボーダーは筆記で86点だった。
ということは4択クイズなどは90点あたりがボーダーだろう。

彼我の実力差は余りにも明白だ。

そして始まった本選。
これまで見たこともないような速さで押されていく。
確定ポイントの遥か前に押され、そして正解を出す。
これが競技クイズなのかと、先程まで恥ずかしながら僅かにあった悔しさなど吹き飛んでしまった。
テレビやYouTubeで見るような早押しも十分速かったが、これはその比では無かった。
特に準決勝と決勝は目を見張るような技術の応酬激しく、文字通り手に汗握る熱い戦いだった。

……。
大会が終わった今、僕の心は充足感に満たされている。
それは間違い無いが、一方でこんなことも考えていた。
もっと早くに対策をしていたらどうなっていたのだろう、と。
もっと早くにクイズにハマっていればどうなっていたのだろう、と。

僕がクイズにハマった時には既に大学4年生で、もうこの大会には既に一回きりしか参加できない運命にあった。
しかし、例えばもし僕が高校生の頃から競技クイズに出会っていれば。そしてハマっていれば。
もしかしたら今年あの輝かしい舞台に僕の影があったのではないだろうか。
もし僕が他の全てを捨ててでもクイズに全力で打ち込んでいれば。
ありきたりで、どこにでも落ちているような、しかし確かにそこにある恥ずべき後悔と思考が炙るようにじわじわと心を蝕む。

そんなことを考えても無駄であり、仮にそうなったとしてもきっと同じ思いを別のことに抱く、と常日頃そんなことに対して冷笑しているのが僕な訳だが、それでもそう思わざるを得なかった。
別にクイズ大会だったら他にも大規模なものは沢山ある。チャンスだって同じだ。
しかし、それでもなおこの愚かな思いが湧いて出るのはあの舞台が輝きに当てられたからに他ならない。
この舞台に立ちたい、そう思ってしまったのだ。
しかしそんなことを考えても大会の規定上僕の次回の出場は叶わない。

そういう訳で、今ここでやり場のない思いを吐露しているという訳だ。
山の天気より変わりやすい僕の気分のことなので、きっと少しすればまた違うことに熱が入るだろうが、今だけはこうして長々とお気持ちを表明させていただきたい。

未だ興奮冷めやらぬ川崎からの帰り道。
今目の前にバインダーに挟んだ書類をぱらぱらと捲る男性がいる。
そんな訳ないのに、つい手元の紙にどんなクイズが書いてあるのだろうと覗き見たくなる。
勿論行動に移すなどということはしないが、どうやら手汗が乾くまではこの衝動と闘わねばならぬようだ。



申し訳ないが今日は上述の通り、クイズ大会があり帰宅が遅くなってしまったので日記が短めになってしまった。
一週間かけて書くという名目で週刊にしたこの日記の意味はどこへやらという感じだが、続いているだけ大目に見てはもらえないだろうか?あ、もらえない?そう……。

それでは

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