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特集Vol.3 現役協力隊 interview

  • 令和5年4月から協力隊に就任(地域振興課にて勤務)

  • 令和6年7月に協力隊任期中に、旅行会社を設立

  • 令和7年4月より本格的に旅行会社を開業予定


きっかけは故郷に思いを馳せる日々

大満寺山から西郷湾を望む

 高校卒業と同時に隠岐の島を離れ、専門的な資格を取得し、山口県で希望の旅行会社に勤めることになりました。一度は、自らのスキルアップのため登山インストラクターとして活動し、広島と山口を行き来する生活でしたが、キャリアを積むと同時に将来を見つめ直す機会が増えてきました。

 「何のためにここにいるのか」、「仕事と家庭の両立ができるのか」など答えが出ないまま、毎日の忙しさに追われる日々。そんな中、島を離れる時に「将来、この島で旅行会社を作りたい」と思い描いていた答えにようやくたどりつきました。
 ちょうど、隠岐の島町のホームページで「地域おこし協力隊募集」の掲載を見つけたことも、自身の方向性と重なり、決心と覚悟にもつながりました。

全国の島々が集まる祭典 「アイランダー」(東京開催)に参加
民間団体「五箇こぞって会」主催の「隠岐の島地域おこしたい発表会」の様子

家業の一画に旅行会社を設立

 隠岐の島町の地域おこし協力隊は、
① 地域おこし協力隊の活動に関連した活動
② 任期終了後の定住化に向けた基盤づくりのために必要な活動
など、町長の認める範囲で副業を申請することができます。そのうえで、1年目は協力隊のミッションを理解し実績を重ね、2年目からは副業にあたる基盤づくりとして「旅行会社を作る」ための起業活動に専念しました。

 そして、このたび5月には「法人設立」、7月には「旅行業登録」を完了し、念願の旅行会社を設立することができました! 開業にあたっては、家族の理解とサポートのおかげで、実家が経営する事務所の一画に店舗を構えることにもなりました。

隠岐諸島の観光・地域振興を企てる人に

 会社名は「隠」岐を「あい」する「心」を大切に、助け合いの“おあいこ文化”を提供する会社として「あい株式会社」と名付けました。生まれた故郷、家族、関わった方々に感謝の思いからなる「おあいこ=お互い様」を表す名前です。

旅行会社のロゴマーク:家族の絆と隠岐諸島4島の共助を意匠

 私は旅を通じて、今までに「感謝」のお言葉を数えきれないほど沢山いただきました。島を離れ、旅行会社に18年間勤務する中でお客様と一緒に国内や海外のみならず登山ガイドとしても、共感しあってきたからです。
 その多くの方から感謝や労いのお言葉をいただくことで、モチベーションの向上や自発的行動に結びつき、ようやく島に戻る決意からの起業に向かうことができました。

 事業内容としては、旅行業の登録範囲内で着地型商品の造成や観光資源の発掘、または島に住む住民の皆さまの声を聞いてオーダーメイドの企画や手配、グループ団体などあらゆる旅行を「おあいこ流」にしてまいります。

 最後に、これからも隠岐4島が共助し合える「隠岐諸島」として、それぞれの魅力をつなぎ提供していく役割を担いながら、島民のみなさんからは「よく帰ってきた。ありがとう」と言ってもらえるよう間柄を築き、「おあいこ」として育んでもらえるよう精進してまいります。よろしくお願いいたします。