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家族の話 夏の思い出

小学生時代の話。

アタイは涙脆いのだが、それは父親譲りだったりする。

アタイが小学生の時、スラムダンクが紙面もドラマも大人気の時で、元バスケットボール選手の父とは三井寿の名台詞「安西先生バスケがしたいです」を一緒に観て泣いたりした。

んで、そんな2人で泣くアタイ達をウザそうに見て妹は習い事のテニスへ一人で出掛けようとして、慌てて父が車を出したりしていた、そんな夏を思い出した。

父は有名でも無かったし、ただの高校から始めたバスケットマンで、大学で選手としてちょいと活躍したらしい位。

でも、同じくアタイも水泳で競泳選手だったから  そのちょいと活躍レベルがどれだけの練習の上にあるかを理解は出来る。

父もよく吐きながら走り込みしたと言っていた。
アタイが吐きながら泳いだのと同じ様に。

妹は小学生でテニスは辞めて中高とソフトボール部に入り、謎に4番バッターでぶっ飛ばし続け、関東大会常勝校みたいだった。

アタイの全国大会には流石に母も送迎で来たけど、県大会レベルじゃ家族が見に来る事は無かった。
妹は小さな大会でも母が車出しをしたりして居て、しかも大会後には妹の脚までマッサージしていてアレにはちょいと引いたけど、それでも妹と母の距離感には幼くも無かったが少し羨ましかった。
ま、その辺は個人競技と団体競技で親の出る幕ってのも差異があるのかもしれないけども。

父は機嫌良く酔っ払ってると、時々マッスルを良いだろ~と、見せつけて来た。
確かに60歳を越えても引き締まった180cm以上のおじさんはそれなりに清潔感も有り、酔っ払って無ければまぁまぁな方なんだろうと率直な感想も笑って許された。

父の父方は白髪の身長高い系で、母方は禿げる身長低い系(男性陣の場合)。
んで、父は父方を引いた。

なのでモテたし、幼稚園児から禿げるアタイを笑いのネタとして楽しむ非道な人だった。

父曰く、父は高校が男子校だったがモテてしょうがなかったらしい。

アタイは信じたくもなかったが、父の友人からファンクラブが他校の女子達により結成されていたと知りゾッとした。

母に聞いたら職場でもモテモテで、結婚が決まる迄は二人の関係を内緒にして上司にも箝口令を出してもらった程だったそうだ。

謎に和室に飾られた父のシュートしている後姿が引き伸ばされたモノクロのA4写真はあ~モテる人って感じだった。

男子校で寮生活を送り、大学でも寮生活。
ずーっと男子とバスケットで生活した7年。
それを想うと、父の下ネタ万歳人間な所や無駄に仲間意識高く盛り上がる時のエネルギーの高さ……いわゆる陽キャな感じは部活が作り上げ他のでは無いか?と、思ってしまう。

悪い人じゃない。
お酒が入らなければ。
悪い人じゃない。
人と比べる癖がなければ。
悪い人じゃない。
……悪い人じゃないのか?
って、考える事も、その余裕すら一緒に居る時は何もかも父に振り回されて分からなかった。

今はあの身長で高い高いをして貰った眺めのいい昔の施設の中庭を想い出す。
綺麗で優しい時間の想い出。

悪夢の父は悪夢の中で忘れた。
このまま一生忘れてしまいたい人だ。
悪い人とも大嫌いとも殺したいとも今は想わない。
興味すら無い相手となった父。
父に恐怖心は未だに有るが、興味を無くし、今の家に安堵感を自殺企図時に抱いてから、お陰でアタイの睡眠障害は改善方向にある。

自殺企図時、意識朦朧としながら救急隊員さん達がアタイが窓の鍵を開けなければ家に入れもしない事を見て以来、アタイはこのオンボロアパートが謎に護られている安心感でいっぱいとなり、よくアレから眠れる様になった。

アタイの睡眠障害は小学生の頃からで、当時からアレルギーの眠気の出る薬を騙し騙し使って居て、高校から睡眠薬無しでは眠れなくなり、24の時にウガンダへ行く際には(後にシアトルへ行った際もだが)眠剤が危険薬物扱いで、精神科のパグLove先生を巻き込み、色々書いてもらってようやく飛行機に乗れたのだった。

父はアルコール依存症だ。
多分認めないだろうけど。
今も仕事を続けるのは本当にアルコール一色の生活が恐いのかもしれないし、そうなった時に彼女さんに振られて独りになるのも、本当に苛立って祖母に手をかける事への恐怖心との闘いもあるのかもしれない。

アルコールは恐い。
アタイはアルコールアレルギーで喘息でタバコ吸えないのもギャンブル場所の音や匂いが無理なのも、もしかしたら父からの反面教師を身体が貫いているのかも知れない。

アルコールは恐い。
hideや色んなアーティストの生命を奪った。
父の人生も壊した。
我家の人間関係を壊した。
アタイはアルコールが憎い。

夢見が悪く、今日は父についてちょいと書いてみました。

明日は暑そうですね。
何だか秋では異様な暑さになるらしい予報。
水分補給と食事頑張って、何より涼しい場所で無理せず行きましょう。
お読み下さったあなた様の明日が有意義で健やかでありますように祈っております。

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