とある「シミュレーション」沼に狂った人の話
筆者の人生で予想もしなかったことが起きてしまいました。単刀直入に言うと「ときめきメモリアル Girl’s Side 4th Heart」にドハマりしてしまい購入以来毎日のようにプレイし、2024年4月13日に始めてからプレイ時間が200時間を突破してしまいました。
きっかけはとある実況動画──
もともとこのゲームの発売当初にも少し別の方の配信を見たりもしていましたが、今回ようやく購入する決意をすることができました。
筆者はジャンルを問わないゲーム好きだと自負しているのですが、所謂「乙女ゲーム」を遊んだことはありませんでした。理由はシンプルで、何かのキャラクターと疑似恋愛することに全く興味がなかったからです。
例えば筆者は人生単位でポケモンがすきですが、トレーナーの人間キャラクター以上に生きとし生ける「ポケモン」達に惹かれてしまう質ですし、何より筆者には人生の最推しとして17年ほど執着し続けているキャラクターがいます。
ゲームの一要素に恋愛や結婚があればすきになった登場人物と契ることはことはよくやってきましたが「恋愛」が主題となったゲームにまで食指は伸びていませんでした。
自分はこの手のゲームにハマることはないと考えていましたが、件の動画を視聴したことをキッカケにときメモGS4も筆者のすきなシミュレーションゲームと同じく「未来を見据えて主人公を育成し登場人物と交流する様子を見守るゲーム」だと考えると不思議と自分の好みに刺さるような気がして「自分でプレイしてみたい」という好奇心が勝り行動に移すこととなりました。
自分自身の恋愛というより主人公の背後霊(?)として干渉しつつも作中キャラクターの行末を見守るという楽しみ方、実にゲーム的かつシミュレーション的で面白いと思っています。
ちょうど直前に良作シミュレーションゲームをプレイした充足感からもう少しシミュレーションゲームがやりたいなあと思っていたところだったのもあり、5月に発売するゲームをプレイするまでの暇つぶしになればと手を出したつもりだったんですが──まさかここが底なし沼の入り口だとはこの時の筆者には知る由もなかったのでした。
という訳で主に自分への備忘録として、この沼の記録を残そうと思います。
◆戦略結婚軍師の目論見
筆者はシミュレーションゲームが大好きです。最近もユニコーンオーバーロード(※1)をプレイし終えて大満足でした。筆者が特にすきなシミュレーションゲームはSRPGの「ファイアーエムブレムシリーズ」でして、SFC以降の作品は聖戦の系譜からエンゲージまでもちろんヒーローズも含めてほぼ全てプレイ経験があります。
中でも結婚やペアエンドが存在する作品は大好きで何周もプレイしてしまいます。
例えば聖戦・覚醒・if はユニット同士の結婚によって結婚したユニット同士の間に生まれた子どもが後にユニットとして戦力になってくれるのですが、子どもが親のスキルやステータスを引き継ぐとあっては時に筆者はキャラクター同士のエモい関係性より後の戦力を考えて結婚させるような政略結婚ならぬ戦略結婚をさせるため暗躍する軍師と化すことになります。
またどのユニットと支援を結んだかによってペアエンドが存在するタイプの作品では、特定のユニット同士の後日談を見るためだけに敢えてペアエンドを迎えるカップリング以外で支援関係を結ばないようにする、実質支援縛り(作品にもよりますが支援を結ぶと戦闘時のステータスが上昇するので出来るだけたくさんのユニットと関係を築く方が有利になるのを後日談回収のためだけにわざわざ縛っています)のようなプレイをよくやります。
もともと選択分岐が多い上に豊富なテキストが用意されている風花雪月はこのペアエンド周回のためにわざわざ10周以上しましたしまだまだ遊び足りないくらいです。
まあこんな感じで筆者は自分自身の恋愛についてほとんど興味ない一方、カップリングには異常に熱量を注げる性分だったのでときメモGS4もそのノリでプレイしていく予定でした。
ときメモGS4の主人公「マリィ」は「あなた(プレイヤー自身)」でもあるようですが、彼女は彼女なりの過去と自我と価値観を持っていて、それこそ近年のFEではお馴染みのマイユニットに近い存在だと思いましたので、あくまでも筆者は恋愛を楽しむというよりいかにマリィに高校生活を謳歌させ魅力的な王子たちと交流しより良い将来を掴ませるのか──そこに重点を置いて遊ぶつもりでした。
しかしとあるキャラクターの登場よりその目論見はコナゴナに破壊されてしまったのです。
◆この本多くんがスゴい!2024
お前お前お前お前お前!!!!!お前だよお前!!!!!
彼自身のルーツも、マリィとの接し方も、物語の着地点も、彼がぶつけてきた全てが筆者にクリーンヒットしてしまい、筆者の心のマリィは無事彼と教会の鐘の音に祝福されることになりました。え?こんなこと人生でもう一度あることあるんだ!?実に何らかのキャラクターに心奪われるって17年振りなんだけど!?!?
このキャラクターのことを筆者なりに表現すると──光、いやもはや恒星です。
彼から放たれる光は筆者含めあらゆる人物を浄化するどころか最早天焦がす滅亡の光(※2)。
知的で元気で優しい子だけど魅力はそれだけに留まらず深海の如く大きく深い器の持ち主で心がすごくカッコよくてとにかく真っ直ぐ真っ直ぐ真っ直ぐ真っ直ぐマリィに向き合ってくれるんですよ!!!!
もう正面衝突!筆者は普段インターネッツで各々の推しキャラクターに情緒を乱される人を観測して楽しんでいるのに情緒を乱される側になってしまうなんて!!!情緒を乱されると生活習慣も世界の見え方もこんなにもあらゆるものが狂うなんて!!!!
最近の筆者は本屋に行けばそういえば本多くんは本屋でバイトしていたなと感じてしまってテンションが上がるし、ラーメンを見れば本多くんのすきな食べ物だったなと思ってテンションが上がるし、日々生きていて今までなんてことなかったものが本多くんに結びついてしまってもう終わりです。これは祝福を通り越して呪いですよ呪い!!
筆者は以前のnoteで17年以上執着している最推しキャラクターをすきになった理由がわからないと述べていましたが、今回本多くんを通して恐らく以前も「圧倒的な光属性かつその光属性にとどまらない魅力」に焦がされたのだろうと自分の癖を確信することになりました。
わからなくなっていた部分がクリアになったお陰で最推しのことも益々大好きになったんですよね……。そして気づいたんです。すきなものが増えてももともとすきだったものが疎かになるとかそういうことはなく、ただただすきが増えて幸せになれるだけだって──本当にありがとう本多くん。
このゲームの制作に携わり本多くんを生み出し美しいシナリオを彩ってくださった方々、本多くんに魂を吹き込んでくださった声優の服部想之介さん、そして地球に感謝します。
さて、本多くんについて語る際はネタバレにも触れなければいけないので、とりあえず本多くんに出会って七転八倒した自分語りや本多くんに対する筆者の解釈はまた別の機会に書き残そうと思います。
◆シミュレーションとは「よりよい未来を目指すこと」かも
ところで様々なシリーズが展開されている「ときメモ」ですが、今回の「ときメモGS4」が筆者にとってははじめてプレイしたシリーズタイトルになりました。
筆者がこのゲームに沼ったのは最高の王子様が存在していたというのももちろんありますが「シミュレーション部分」がきちんと面白かったからだとも思いました。ここで言うシミュレーションとは相手と疑似恋愛するやり取りも含まれるのですが、何より将来を見据えながらマリィを育成することがとても楽しかったです。
例えば文化祭でローズクイーン(※3)を取ろうとすると、かなり計画的に育成する必要があります。どのコマンドがどのステータスに影響するか把握し、占いを見てコマンドの成功確率を予測し、その合間に攻略対象の好感度を上げるためにデートの予定を組み、セーブロードを繰り返して試行錯誤するようなプレイにもなってきます。
筆者はシミュレーションゲームの面白さには「予測すること」と「出力される結果を見守ること」にあるのではないかと個人的に考えています。
戦況を見て進路を決定し、自分と相手のステータスや回避・必殺といった確率を考慮しながらユニットを信じて送り出し、無事に盤面を切り抜けられるか結果を見守る(そしてユニットの成長に一喜一憂する)。
これはFEのようなシミュレーションRPGに言えることではありますが、ときメモのような人との交流を主題とするゲームにもこのシミュレーションならではの面白さがあったと思います。
計画的にコマンドを実行し各種能力を高め、攻略対象の情報を集め、好みのデートスポットを選定し、相手に寄り添った言葉を予測して結果を待つ(そして失敗したらセーブ・ロードでなかったことにする)。
そうしてマリィを磨いてしっかり準備するからこそ戦場(デート)に行くのが楽しいというのは今まで自分がプレイしてきたシミュレーションゲームと同じ喜びがあったと感じました。
また、筆者はこうした所謂「乙女ゲーム」に今まで偏見を持っていました。
自分でプレイすることが全くなかった分、自分の目に触れてきたものの大半は「ときメモ」のようなゲームの揶揄やパロディといったお行儀の良いものではなかったせいか、乙女ゲームそのものを薄っぺらいもののように思っていた節があります。
しかしそれは誤解だと認識を改めることになりました。
もちろんどんなゲームもカジュアルなものから硬派なものまでゲームを彩るシナリオには色々な形が存在するので一概に言うことは出来ませんが、少なくともときメモGS4で筆者がマリィと共に送った高校生活は、交流する人物それぞれの葛藤や幸せを掴むまでのドラマが存在し、そうした物語を追っているうちに自然とマリィと王子たちの恋路を応援したくなりました。
何よりマリィとの関わりをきっかけにそれぞれの王子たちが自分の行くべき未来を見つけたり、大きく成長する様子を間近で見ることができたのは本当にプレイヤー冥利に尽きるなという気持ちになりました。
……まあ高校生の時点でみんな将来に対する覚悟ガンギマリすぎてて筆者はその光に消し飛ばされちゃいましたけどね!
(まー、スキンシップは苦手だなあとかこのゲームそのものについて個人的に思うところが全くないわけではないんですけど、これは筆者がそう感じるだけなので瑣末な問題でしょう。これも全部スキンシップを教える氷室先生が悪いんです)
やはり何事も百聞は一見に如かず、自分で確かめに行くことが大事だということを、このゲームとこのゲーム最高の筆者のマリィの王子様から教わったように思います。このゲームが9年ぶりのシリーズ新作だったというお話も聞きましたし、ますますこの作品を世に送り出すために関わってくださった方々には感謝しかありません。この作品に出会えて本当に良かった。
なんだか日常生活に支障が出ていなくもない気がしますが、まだまだやりたいこともありますしもうしばらくこの沼に浸かっていようと思います!
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?