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33歳&「がん」#第2幕 脱毛ツレズレ日記

抗がん剤の副作用で吐き気と並んでイメージがある「脱毛」ですが、僕も順調に抜けています。

「治療が始まって、だいたい2週間くらいしたら抜け出します」と言われていたので、僕はあらかじめ、いつも通っている床屋さんで頭を坊主頭にカット。

「丸刈りでお願いします」と言ったら、顔馴染みの理容師さんは「え!?なんで?」と驚いていましたが、事情を話したら親身に心配してくださり、潔くバリカンでズバズバ刈ってくださいました。(馴染みのお店があるって心強いなぁ)

そこまで短くしていた僕ですら、いざシャワーで髪が次々流れていったり、タオルに髪がつきまくったのを見たときは「うおっ」と思うものがあったものです。

人によってこの副作用は、感じ方やショックの度合いが違うと思いますが、多かれ少なかれ精神面にダメージは負うことかと思います。

ただ、幸いというか、僕の場合、この副作用はツラい事もある反面、新しい発見や楽しいこともあって、悪いことばかりでもないなぁと感じています。

その例を2つほど挙げると、まず一つ目は

○帽子が似合うようになったこと、です。

髪がそこそこあった時の僕は、それはそれは帽子が似合わない男でした。
キャップ、ニット、ハット、その他もろもろ全部ダメ笑
お付き合いさせて頂いている彼女や周りの友達全員からも「マジで全然帽子似合わない」とお墨付きを頂くほど。
あまりに似合わないもんだから「探偵ナイトスクープ」に、「僕に似合う帽子を探してください」と依頼を出そうか迷うほどでした。

それが髪がバッサリ落ちると、あらまぁ不思議。
なぜか割と帽子が似合うようになりました。
周りの友達や彼女も、「治療が終わった後も坊主のままでいんじゃね?」と言ってくれますし、自分で言うのもなんですが僕自身、「髪落ちてからの方が帽子、似合ってるじゃん」と感じます。
帽子選びが楽しくなったのも含めて、これはちょっと嬉しい発見。

もう一つ新しい発見、というか感じることは

○雑念を感じにくくなった、という点です。

髪が抜け落ちてほぼ無くなると、まず物理的にいろんな雑事をせずに済むようになります。
朝起きて寝ぐせを直す、髪をワックスやなんやらで整える、シャンプーやコンディショナーで洗う、ドライヤーで髪を乾かす、美容院で髪を染め直す、床屋に行く、などなど、これらを全くしなくてよくなります。そりゃそうです。
ないんだもん、髪が。

そうすると、その削れた雑事分、自由な時間が増えるようになります。外に出る時も帽子をポンと被るだけ。あぁ〜、ラク。

「あぁ〜、今日寝ぐせやばい!時間ない!!電車間に合うか!?」
「そろそろ髪型変えたいし切りたいけど、どんな髪型にしようかな。こんな髪型にしたら周りからなんて思われるかな」などの雑念も、全部消えます。
だって、どうしたいもどう思われるもなにも、ないんだもん。髪が。

髪が抜け始めた当初は、確かにショックもありました。
しかし、ほぼ抜け落ちた今は、普段の雑事が削れた分の時間を好きなことに使える上、周りからどう見られてるかな、今日の髪型変じゃないかなという雑念も感じにくくなり、「おっ、割と快適じゃん」と感じています。
これは強がりでなく、本気でそう思ってます。

子供の頃、「なんでお坊さんは髪の毛剃るのかなぁ」と単純に疑問を抱いていましたが、「あぁ、こういういいことがあるからなのかもしれないなぁ」なんて、生意気にも思ったり。

なので今は、あとわずかとなった髪がさっさと全部抜けて、はよ丸ハゲにならんかなぁと思っているのですが、なぜかここに来て残りわずかな髪の毛が頭皮にしがみついて中々落ちてくれません笑
何、お前ら。なんでここにきて頑張ってんの。毛根の強さがお前らだけケタ違いなの?そんな、同じ頭皮の毛根と髪なのにそこまで耐久力に差があるもんなの?
そろそろ頭を手で叩いてペチペチ音を鳴らしたいんだけど。まだビミョーにジョリジョリいうんだけど。落ちるならはよ落ちんかいお前ら。

などと感じる闘病の一幕日記でした。
読んでくださった方、今回もありがとうございます

オケ 2023年11月5日

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