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33歳&「がん」#第1幕 実際にこんなセリフって出るんか。がん告知。

だんごで見つかった、がん。

食あたりからの〜

自分のがんが見つかるきっかけって、人によって全然違うと思うんですけど、僕の場合はだんごで見つかりました。
はい、あの和菓子のお団子です。
今回は僕の場合の「がん発見&告知談」をお話ししたいと思います。

忘れもしない、今年の8月20日のことだったんですが、アホみたいな話、僕は食い意地張ってお団子を食べ過ぎて、食あたりを起こしたんですね。
で、その食あたりの嘔吐と下痢がおさまっても、「なんか身体が・・・」と、なんとなく変な感じがして・・・。
で、自宅の近くに大きな総合病院があるので、念のためと思って行きました。

ただ、この時点では担当医さんも症状を聞きながら「あーー、食あたりかなぁ。胃潰瘍かもしれないねぇ。念の為、エコーとCT撮っとこうか」なんて言いながら、目の前のパソコンをカタカタ余裕で叩いてる、そんな感じでした。
だから僕も、「あ、大したことないんやろなぁ」と思っていました。

しかし、一連の検査を終えてもう一回診察室に戻ると、さっきまであんなに余裕そうにパソコン叩いてたお医者さんが、ちょっとマジな顔してこっち向いて座ってるんですね。その顔を見て、え、なになに?って思った事を覚えてます。

がん告知

「検査お疲れ様でした。あのですね、検査の結果、この画像なんですけどね・・・」
と、「念のため」に撮った腹部エコーや、CT検査の画像をもとにお医者さんから説明が始まります。

「場所としては、膵臓の近く、腹部内の腸間膜って場所なんですけどね。ここに、大きさは10cm超、かな。腫瘍が認められるんですね。で、この腫瘍なんですけどね。モノとしてはなんですけどね」
「はい」
「悪性リンパ腫の疑いが、あります」

って言われたんですけど、

僕はバカでして。
言われた瞬間は、悪性リンパ腫?何それ?って、全然ピンと来なかったです。

「あぁー、リンパが腫れてるんだ。へぇ〜、首の辺りが腫れることはあるけど、そんな身体の中のリンパが腫れることもあるんだなぁ」くらいにしか、その瞬間は思わなかった。まさか、33歳で自分ががんになってるなんて、思わないじゃないですか。

でも、その後お医者さんが続ける「生検手術の予約」とか「全身の他の臓器の状態を見るためにPETーCT検査を」とか「入院」とかいったリアルな言葉が出てくるうちに、こんなバカでも徐々に理解が追いついていきました。

えーっと、つまりは、え?まさか。

ようやく、ここで僕はお医者さんに質問。

「それって、がん、なんですか」

それに対するお医者さんの返答は、
「腫瘍です」

はっきり、がんと言わない・・・。あ、そうか、生検取ってないからか。だから、まだ断言できないんだ。あ、じゃあ、がんじゃない可能性も十分あるってことか。なんだ、慌てさせんなよ。

と、思っていると、お医者さんが、ふと発した一言。

「今日って、ご家族の方は病院に来られますか?」

・・・。

これを聞いて
(あぁーーー、実際にお医者さんからこんなセリフって出るんだ)

と思ったのと同時に、僕の場合、これがいちばん「あぁ、そうかぁ」となった瞬間でした。正式ではないけど、僕にとってはこの時が「がん告知」の時。
本人だけじゃなく、家族をわざわざ呼ばなければならない。ということは、そういう病気の可能性が極めて高くて、これからそれとの戦いが始まるってことなんだなと思ったからです。

その時の、お医者さんの話を聞きながら、自分でも驚くほど冷静で、でもどこかふわふわしていて、あーー、マジかぁと思いながらも、いや、でも、なんとかなるよねって余裕を感じつつも、恐怖もゆっくり少しずつ出てきて、口と身体が勝手に震え出した、あの妙な感覚と体感。
それは今でもハッキリ覚えています。

不幸中の幸い。頑張って、治す。


まさか、団子を食べ過ぎて食あたりを起こして、ついでに撮った検査でがんが見つかるとは。
(ちなみに、診断でも言われたのですが、嘔吐と下痢は悪性リンパ腫のせいでなく、マジでただの食あたりでした)

人生、何があるかわからないとは言いますが、ほんとそうだなと思います。

リンパ腫というがん自体には痛みがない上、僕の場合、体の表面には何も腫れが現れていないため、完全に自覚症状なし。
見つかった段階では、大きさ10cmを超えてはいるものの、ギリギリのところで膵臓にも癒着しておらず、他の臓器や骨髄にも影響が見られない、なんとかステージ1の状態。

ただ、僕のがんはひと月ごとに大きさが増していくタイプなので、もし、あの日、だんごで食あたりを起こさず、何も気付かないままボケーっと過ごしていたら・・・。そう考えるとゾッとすると同時に、よくこのタイミングで見つかってくれたなぁとも思います。

お医者さんも「言葉が正しいかはわからないが、この段階で見つかったのは、本当に不幸中の幸いです。なので、頑張って治しましょう」と言ってくださるタイミング。

今でも闘病真っ最中。というか、まだ始まったばかり。
これから、まだまだどうなるかは分かりません。
がんになってしまった事自体は、確かにショックだし、先のことをあれこれ考えると不安になることもあります。

でも、そんなタイミングで見つかった自分の運を信じて、これからも、一日一日、根治に向けてゆっくり頑張っていきたいです。

以上が、僕の場合の「がん発見&告知談」でした。
次回からも、いろんなことをポツポツと書いていきたいと思います。

ここまでお読みいただけた方がおられましたら、本当にありがとうございます。

オケ 2023年11月2日




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