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デザイナーズノート:コンコード

ゲームマーケット2023春に新作として出展予定の「コンコード」についてご紹介します。

コミュニケーション禁止の協力ゲーム「コンコード」

・相談できない状況の中、皆で5枚のカードを出してミッション解決を目指す協力ゲーム

まずはゲームの基本的なスペックは以下の通りです。
■プレイ人数:2~5人
■時間:30分
■年齢:8歳以上
■通常価格:1800円+税
■イベント特別価格:1700円

・こんな方にオススメ

協力ゲームなので、勝つのも負けるのもみんなで一緒です。
手札に関しての意思表示は一切禁止、できる意思表示はミッション選択とアイテム使用の提案だけですが、最終的な決定は持ち回りのカードで明示されたリーダーのみが行えます。

ゲームでも友達と争いたくない、一緒に課題に立ち向かいたい。
負けず嫌いが強すぎるために他人と争うゲームをやるのをためらってしまう。
協力ゲームは意志を押し付けがちな人による奉行問題があるからつらい。
そんな方々にも、協力ゲームだけれどコミュニケーションがほとんど禁止されている「コンコード」は楽しく遊んでもらえます。

また、「コンコード」は2~5人でプレイすることができます。
プレイヤーの人数によって異なる感覚となります。
4人以下のプレイでは2枚出しプレイヤーを順番で受け持つこととなり、より多くの支配力を持ちます。
また、2人プレイではままならないNPCと付き合いながらの攻略となります。
友達や家族と一緒に楽しんでさまざまなプレイを楽しんでください!

・作品の世界観

プレイヤーは魔法学校の最終学年生となって、協力して卒業試験に挑みます。
しかし最後の試練だけあって、強力なカウンター魔法が張り巡らされています。少しでも相談をしたら魔法の発動が妨害されそうです。相談なしに、しかし力を合わせて、全員が課題通りの魔法を唱えられるでしょうか?

……という世界観ですが、2022年春作品「イグゾースト」と地続きの世界です。あちらがひとつめの競い合う卒業試験、こちらがふたつめの協力し合う卒業試験です。ずいぶん卒業までに困難が続きますね。

イグゾーストを多くの人に遊んでいただけていたこと、魔法の世界観が気に入っていたことから、同じ世界観のゲームとなりましたが、気軽に遊んでいただけるタイプのカードゲームであるということ以外、内容は全く違うゲームです。
よければ両方遊んでみてくださいね。

・コンポーネント

スペルカード・・・60枚
ミッションカード・・・27枚
アイテムカード・・・12枚
ライフカード・・・4枚
リーダーカード・・・1枚
2枚出しカード・・・2枚
説明書・・・2枚

全てカードで構成されたゲームです

・最初からいい感覚、テストプレイで磨かれました

制作し始めのコードネームは「協力型ヤッツィー」でした。
ヤッツィーはサイコロを振って役を作っていくゲームですが、それを協力ゲームにできないかというのが出発点でした。ただ、サイコロだと秘匿要素のある協力ゲームにしづらいのと、サイコロを多数用意しないといけないという予算の都合もあり、カードを使うことにしました。

とりあえずキットを作って、初めてテストプレイをしてみましたが、いきなりうまく回ったので、これはいける、と思いました。
余談ですが、最初のテストプレイでいきなりうまく回るゲームは自分的によいゲームになることが多いのです。それぞれ英語版が世界に旅立っていった「セイルトゥインディア」「はんか通骨董市」、そして前作「イグゾースト」もそうでした。

当初は、かなり色々なことを相談できるゲームでした。
しかしかなり簡単になってしまうのと、どこまで相談するのかの線引きが難しかったのでで、ミッションの指差し選択のみになりました。
これはゲームデザイナーが多く集まるテストプレイ会でアドバイスを頂いての修正でした。

また、役の名前に「フルハウス」「スリーカード」などのポーカー用語を使っていたのですが、ボードゲームショップでのテストプレイでポーカー用語に馴染みのない方がプレイしづらそうにしているのを見てわかりやすい表現に直しました。
自分が当たり前に分かっていることも、触れてきたゲームのジャンルが違う方には伝わらない(もちろん逆のこともたくさんあるでしょう)ことが分かって、色々な場所でテストプレイしてみるのは大事だなと思いました。

かなり苦労した点としては、アイテムのネタ出しです。
全てユニークの効果なので、バランスを崩さないレベルで捻り出すのは時間がかかりました。
また海外の人にもプレイしてほしいので、効果を文字だけでなくアイコンで表示するのにも苦労しました。数学的な表記を使いすぎて分かりにくくなってしまったり、くどくなりすぎてしまったり、というのもテストプレイで評価していただきながら修正を繰り返しました。

アイテム使用のタイミングについても、最初はカードに明記していなかったのですが、それによってプレイしづらいという意見をいただいて「詠唱前」「詠唱後」の整理を行いました。


……いくら最初にすんなり回ったとはいえ、テストプレイで多くの修正を行いました。本当にテストプレイは重要ですね。

・タイトルのアイデアは、なんと

作品のタイトル「コンコード」は調和とか一致とか、そういう意味の英単語です。

最初全くアイディアが浮かばず、今回頼ったのはChatGPTでした。
同じ頃グラフィックデザインのにゃもが、所属するジャズバンドの名前をジャズともバンドのイメージともかけ離れた名前にされそうだったにも関わらず、自分から何も発想が出てこないことに焦り、ChatGPTを駆使してジャズっぽい落ち着いたバンド名の候補を出し、メンバーを説得して事なきを得る、という出来事がありました。
その時に「◯◯やそれに類する意味の言葉を、◯◯語(英語、ドイツ語、エスペラント語etc.)で、3単語以内で20個羅列してください。その際に、カタカナでの読み方、日本語での意味も付記してください」という質問の仕方をしていて、その羅列の中から自分で判断する、というやり方をしていたのが効率もアイデアソースとしてもいいな、と思いました。

そのやり方で色々と英単語を羅列していってもらい、
・でっちあげた情報ではないか(辞書で確認)(造語でも響きがよければいいんですけどね)(酷い意味がないかも確認)
・同名のゲームはないか(BGGなどで検索)
・検索性が悪くないか(ぶどうや飛行機が出てくるけれどゲームとしてなら大丈夫そう)
などの確認をして、決定としました。

・紹介マンガ&ルール

新作のイメージが出来るだけ伝わるように、チラシやwebに載せるための紹介マンガを本編のイラスト製作者でもあるにゃもが作成しています。
前回作「イグゾースト」の体裁と合わせ、同じキャラクターで基本的なゲームの流れ、プレイヤーがやる指差し・カード出しという体の動きをイメージしてもらえばプレイにつながるだろう、と単純なイラスト解説にしました。

コンコードの紹介マンガ

・インスト動画

前作「イグゾースト」でインスト(=ルール説明)動画を作成して、チラシにQRコードを載せて "すぐ遊べる" アピールをしていました。効果の方は定かではありませんが、今回も同様にインスト動画を作って、チラシや、ボドゲーマさんなどのサイトからリンクを貼って出来るだけ導入段階での障壁を低くする試みをしました。

VOICEVOXという無料ながら商用利用可能な読み上げソフトを使用し、それに手元を撮った動画を組み合わせた簡単なものですが、説明書を読むのが苦手な方にもプレイしていただけるきっかけになると嬉しいです。

・ゲームマーケット2023春でお会いしましょう!

こちらの「コンコード」を含めて、さまざまな作品をとりそろえて、ゲームマーケット春はブース番号ク40で出展いたします。
当日会場でお会いするのを楽しみにしております!

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