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大阪淀屋橋南詰西すぐにある淀屋のレリーフ

大阪の御堂筋の淀屋橋南詰を西に行くとすぐのところにあります。

淀屋橋は江戸時代前期の豪商「淀屋」が商いのために自費で土佐堀川に架けた橋だそうです。

このレリーフの上の部分に米俵を積んだ荷車を牛にひかせて橋を渡る様子がありますが、これが淀屋橋なのだと思います。

レリーフは彫刻家の辻志郎さんの作品です。

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井原西鶴に商いの様子をダイナミックな表現で表した著作(本の名前を忘れました)がありましたが商いの音までもが聞こえてくるようで取引の空気感が印象的だったのを覚えています。

このレリーフもゆっくり眺めていると当時の様子をたくさん伝えてくれています。

水運による舟からのコメの蔵入れ蔵出しの様子や、米俵の結び目を解いてコメを小分けして測り売る様子も描かれています。

そのような商いの様子を右上で見守る淀屋の旦那さんと奥様の姿もあります。

蔵入れのコメの値段と蔵出しのコメの値段の差額が粗利で、運送費用や仕事に携わる人たちの手間賃などを差し引いても莫大な利益を生んだのでしょう。

全国のコメを扱っていたわけですからそれは当然でしょうけれども、今も昔も富が大都市に集中するのは変わりがないようです。

コメの取引をやっているうちに、よく知った者同志がお互いの都合で「ちょっと貸しといてください、すぐに返しますから」が、「現物を伴わない売り買いにまで発展していまに至るのだろうなあ」とこのレリーフが教えてくれました。

当然借りたお米は自分の蔵に在庫があれば相場の違いによる損得は別としても返すことには問題ありませんが、蔵にコメの在庫がない時には高くてもその時の相場で買って相手に返さねばなりません。

信用が大切になるわけです。

だから、「信用」の大方は返済することによってその人に生じてくるものだというとこがわかります。

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温故知新というか、当たり前の話ですが。

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