見出し画像

あの頃のワンピースをもう一度


何年か前の話。

画像1


体を壊して体重が増えた状態から戻らなくなって。
《どうにかしたい》どこかで思いながら、見て見ぬふりで。

「こんなもんでしょ」なんて暗示を掛けつつ、本当は体型を気にして。
試着しても似合わないことが増え、服を選ぶのが適当に、美容院も滅多にいかなくなった結果。

ご覧の通り、ブス寄りのブスになっていた。



ちょっと前の話。

画像6

猫のために引越しをして、友人と暮らすようになった。
運動量の多い彼女のおかげで、よく動くようになる。

近くの繁華街へ買い物に行くのも、外食するにも歩いていく。
作って貰ったご飯を食べ、体重は緩やかに落ちた。

前よりも、見た目を気にするようになった。
《もしかして:ブスなのでは》に思考が辿り着いた。

自分がどう見えるか、考えるようになった。



去年の春から最近の話。

画像4

外に中々出られない日々が続く。
家に居る時間がタップリある。
だったら、やりたかったことをやっていこうかな。

私は字書きになりたかった。だから去年の4月から今、この日まで。ずっと文字を書き続けた。
体を引き締めたい。なので毎日少しで良いから筋トレをした。
健康で居たい。そこで食生活を更に改善した。

気が付けば、すっかり体重が落ちていた。

画像3


一時期は軽肥満まで到達したBMIはすっかり標準に。
体型がスッキリして、肩が、お腹が、太ももが引き締まっていた。

窓ガラスに映る姿を見て「そんなわけがない」と。
撮られた写真に「写りが悪いんだな……」なんて。
んな無茶なことを自分に言い聞かせていた私よ、おーい!聞こえるか?


「だいぶブスになってる。目を逸らすなよ」

画像3

この状態でよくも言い訳してたなぁ、全く。


コツコツ努力したことが報われるのは嬉しいものだ。
まずはサイズが合わなくなった下着を買い直した。
きちんと測って貰って選んだブラジャーは、頼もしい守護神みたいに感じる。私の体型をお願いだからなんとかキープしてくれよな!

画像5


そして、春がきた。

着込めなくなったせいでジーンズがずり落ちる。トップスは幅が合わなくなってマヌケな感じだ。
もういい大人なのだ。シルエットがダメ過ぎるのは頂けない。
今はちょっと店舗に行きにくいけど、ちゃんと試着をして服を買い替えていかないと。

マスクを付けて、手を洗い、検温をクリアし、手の消毒をして。
やっとお店に入って、服を選ぶ。

選ぶのが久しぶりに楽しかった。何年ぶりだろうか。
目的のものをいくつか手に取り、試着室に向かう途中。

綺麗なブラウンのワンピースが目に飛び込んできて、頭の中に言葉が浮かぶ。


私、またワンピースが着られるかな?

画像7


子どもの頃、よく着ていた。夏のパジャマですらタオル地のワンピースだった。
10代になっても、いくつか持っていた。春夏はそれ一枚で出かけられた。
20代に入ると段々着られなくなってきた。気が付けばワンピースは手元に無かった。


20代の終わりから、完全に太った後。
ロングスカートでさえ着るとみっともない気がして、皆まとめて処分してしまった。

ふっくらして可愛い友達が上手に着こなしているのを「良いな」と思うけど、後輩の綺麗な子が着ているのを「素敵だな」と思うけど。

私にはもうワンピースなんて着られない。

だってAラインワンピースを着ればハワイのお母さんみたいになるんだもの。コクーンワンピースはものすごい貫頭衣みたいになるんだもの。
なんだろう、すごく面白い存在になってしまう。そんな恰好で外になんて出られないじゃないですか。


でも、30代もど真ん中になった今。
最高に綺麗になった。もちろん当社比だけど。
だったら、あの頃みたいにワンピースを着てもいいんじゃないかな?
自然とそう思えた。


そのあと、どうしたかと言うと。
目当てのトップスとジーンズだけ買って、ワンピースは一旦保留。
なにせ何年も近づけなかった憧れの君。

自分にどんな形が合うか、どんな色が好きか。どんなものが欲しいのか。
じっくり考えて、探してみて。
それからお店に行って、試着させて貰おうと思う。

#この春やりたいこと
あの頃みたいに好きなワンピースを着る。


宝物を探すようで、かなりワクワクしている。


♡はnoteユーザーの方も、ユーザー登録していない方もポチっと押せます。ポチっとされると書いた人(子どもの時のお気に入りは向日葵のワンピース)は思ってる以上に喜びますのでスナック感覚で押してみてください。

サポート頂けると飼い猫のおやつが増えます。ありがとうございます。