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「ガガーリン」「チタン」とアカデミー賞感想

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 やっと肌荒れの春が終わったと思ったら、値上げの春がやってくるし停戦交渉は進まないし感染者数が減らないまま第7波に突入しそうだし・・・それでも桜は咲いて見ればやはり美しいなと思ってしまいます。上は井の頭公園をウォークスルー花見した時のもの。なんとなく毎年同じ場所から撮影。

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 先日行われたアカデミー賞の感想の前に、簡単に映画の感想2本まとめて。まずは「ガガーリン」から。宇宙飛行士ガガーリンの名前がつけられた実在した団地のお話。老朽化がすすみ解体が決まってもどうにかして残ろうとする青年ユーリと、新天地へと向かう顔見知りの住人たち。留まる人と去る人を描いたという点では「ベルファスト」に通じるものもあり、美しい映像とあいまって切なくなりました。きっとユーリにとってはただの建物ではなくて、自分を見守り育ててくれた小宇宙のようなものだったのでしょう。地味だけど後からじわじわ沁みてくる作品でした。上は入場時にいただいたポストカード。

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 次は珍しく初日に観たのでステッカーをいただいた、カンヌ映画祭パルム・ドール受賞作「チタン」です。ジュリア・デュクルノー監督の前作「RAW〜少女のめざめ〜」よりさらにグロく痛く激しく目を覆いたくなるようなシーンもあって不快に感じる人も多いかと。でも、いわゆる「女性監督らしい表現」みたいなものは一切やりたくない!という監督の意志が感じられる振り切りっぷりはむしろ爽快でもありました。クローネンバーグの「クラッシュ」を彷彿とさせるところもあり、歪なようだけれどこれも愛、たぶん愛、きっと愛。性別や血縁、人と物の垣根すら越えようとするパワー。いや、久しぶりにすごいもの観た。

 さて、今年のアカデミー賞ですがトロイ・コッツァーがろう者として2人目のアカデミー賞受賞とか濱口監督の国際長編映画賞受賞とかせっかくのいいニュースが「あの事件」のせいで目立たなくなってしまいとても悲しかったです。なので思うことは色々あるけれど、あの件にはあえて触れません。濱口監督受賞についてのマスコミの伝え方にもモヤモヤ。「日本」ではなく監督や出演者やスタッフの皆さんがすごいのであって、もし日本すごい!と言いたいのならちゃんと文化芸術に政府がお金を出して欲しい。(韓国はちゃんとそれをやったから世界的に音楽も映画もヒットしている)などど文句を言いつつも、クリステン・スチュワートのシャネルのショートパンツのセットアップやティモシー・シャラメの素肌にウィメンズのグッチのジャケットなど自由なファッションは素敵だったしそれなりに楽しめました。来年は穏やかな気持で観られるアカデミー賞になりますように。

 ちなみに見出し画像はポール&ジョーのアニバーサリーリップスティックケースです。ポール&ジョーは最近買ってなかったんですが、シルバニアファミリー的な質感とおかゆ嬢に似てるのでつい・・・。ケースとして使うより、我が家の可愛いものコーナーにしばらく飾っておくことになりそうです。