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第94回アカデミー賞受賞予想

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 現地時間27日に第94回アカデミー賞授賞式が行われるので、その前にノミネート作品の中から先行上映で観た「ベルファスト」Netflixで観た「ロスト・ドーター」「ドント・ルック・アップ」の感想を簡単に。

「ベルファスト」監督の故郷ベルファストと家族、映画への愛が9歳の少年バディの目を通して瑞々しくユーモアをもって描かれていました。だからこそ余計に平和な日常に突如訪れる暴動や分断の影は濃く、現在の世界情勢とも重なって胸が痛い。誰も愛する故郷を捨てたくはないし、出ていく人も留まる人も皆それぞれ複雑な気持ちを抱えているのです。バディの愛情深い両親や大事なこともズルも教えてくれるおじいちゃんも素敵だったけれど、やはりラストのおばあちゃんの表情に全部持っていかれました。ジュディ・デンチ様最高。まさに今観るべき作品だと思います。

「ドント・ルック・アップ」どうみてもト○ンプな無能すぎる大統領、地球滅亡の危機という重大なニュースも視聴者受けを狙って茶化してしまう番組司会者、お金のことしか考えていないIT社長とあまりにも現実とリンクしすぎていて笑うに笑えない。本来ブラックユーモアは好きなんですが、撮影時よりさらに状況が悪化している今観るとキツイものがありました。きっとこれを心から笑い飛ばせるようになったら、現実がだいぶマシになったということなんでしょうね。でも、こういう映画を作れるのはアメリカのいいところ。

「ロスト・ドーター」マギー・ギレンホールの監督・脚本家としての才能にびっくり。冒頭から漂う不穏な空気と、何をするか分からないオリヴィア・コールマン演じるレダの視線に終始釘付け。たまたま出会った若い母親の姿が、過去のレダと重なっていく演出が素晴らしい。(若きレダを演じたジェシー・バックリーも!)母性は生まれながらにして備わっているとか、母親は常に完璧であるべきという神話がいかに女性を追い詰めるものかということをミステリータッチで描いたのが新鮮でした。

 ということで予想です。

作品賞 「パワー・オブ・ザ・ドッグ」

監督賞 ジェーン・カンピオン「パワー・オブ・ザ・ドッグ」

主演男優賞 ウィル・スミス「ドリームプラン」

主演女優賞 オリヴィア・コールマン「ロスト・ドーター」

助演男優賞 トロイ・コッツァー「コーダ あいのうた」

助演女優賞 キルスティン・ダンスト「パワー・オブ・ザ・ドッグ」

ちなみに「ドライブ・マイ・カー」は国際長編映画賞と脚色賞を受賞するのではないかと思っています。「ドリームプラン」に関してはエルの毒親特集の記事を読んでしまったため観る気が起きないのですが、「ナイトメア・アリー」はこの週末に観る予定なのでまた感想を書きます。

 見出し画像は咲き始めた近所の桜。週末はお天気が荒れるようですし、我が家のお花見は来週にしようと思っています。