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タバコと広島

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 ワクチン接種から一週間経過しおかゆ嬢の様子もだいぶ落ち着いたので、久しぶりに映画館へ。たまたまですが、2作品ともタバコを吸うシーンが印象的なのと広島が舞台なのが共通点。

 まずは楽しみにしていた「孤狼の血 LEVEL2」から。画像は劇場で頂いたポストカードです。前作の流れから「ガミさん」こと役所広司の不在をどう埋めるのか?と思っていましたが、より凄惨さとスピード感を増すことで乗り切ったという感じ。ガミさんの分鈴木亮平が一人で気を吐いていて、変態仮面からヤクザまで変幻自在だなとあらためて。飄々とした中村梅雀と、上司から責められる三宅弘城は「サ道」の偶然さん役を彷彿とさせつい笑ってしまいました。(あのあときっとサウナに行ったはず・・・。)「一番厄介なのは善人づらした悪人」というのはどこの世界も一緒。このままシリーズ化してくれたら嬉しいけどどうなんでしょうね。夏のヤクザ映画もいいものです。

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 次は濱口竜介監督がカンヌ映画祭で脚本賞を受賞したことでも話題の「ドライブ・マイ・カー」です。

 3時間という長尺ながら、運転の上手なドライバーの車に身を委ねているかのようなずっと観ていられる心地よさ。原作の村上春樹はあまり得意でないのですが、独特な台詞回しも気にならず素直に世界観に入っていけるのはさすが濱口監督。

 手話を含む複数の言語で構成される演劇「ワーニャ伯父さん」が上演されるまでの過程も興味深く、ラストの台詞が登場人物それぞれの人生と重なっていく演出も素晴らしかったです。生きることは辛いけれど、あの世で「辛かったね、でも頑張ったね」と笑い合えたらそれはそんなに悪くないのかもしれません。そういえば、全く雰囲気が違うのに両作品とも原爆ドームについて触れるシーンがあったのも印象的でした。

 見出し画像は少し暗く写ってしまったけれど、「ドライブ・マイ・カー」の赤い車のようなアイシャドーです。ADDICTIONのティントタイプのダークローズという色。特に新色ではありませんが、チークやリップとしても使えて秋冬に映えそうなので買ってみました。

 オゾン監督の新作やマッツ・ミケルセン主演作、マ・ドンソクの火山噴火映画と観たいものが目白押しなので、引き続き感染対策しつつ様子を見ながら劇場に足を運べたらと思っています。