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「プロミシング・ヤング・ウーマン」

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 「プロミシング・ヤング・ウーマン」を観たので感想を。予告やキャッチコピーはポップで過激な痛快復讐劇のようですが、そんなものを超えたアカデミー賞脚本賞を受賞するのも納得のラストに打ちのめされることに・・・。(あまり情報入れずに観るのがおすすめ)

 主人公キャシーの行動に共感し男性側の言動に怒りつつも、女性である私も間接的に加害者になるようなことをやってはいないか?と責められる居心地の悪さも同時に感じたり、終始心が揺さぶられっぱし。大学の学長のように女性が必ずしも女性の味方をしてくれるとは限らないし、キャシーに理解を示してくれたのは母親より父親だったり、男性の弁護士のエピソードなど配役もすごく考えられていて自分の固定観念を再認識させられました。

 ブリトニー・スピアーズやパリス・ヒルトンなどのポップな音楽、キャシーのファッションや働くカフェのインテリアなどは可愛いし痛快な部分もあって重いテーマを観やすくする工夫も。一時期「情緒不安定な女」としてパパラッチの的になっていたブリトニーですが、それが父親のせいだったことを最近告白して話題に。同じくパリスも実は「お金持ちなだけのバカな女」を演じていたと告白していたのが印象的でした。そんな彼女たちの曲が使われているのも感慨深い。

 内容が内容なので辛くなってしまう人以外は、なるべく老若男女に観て自分のこととして考えて欲しいです。復讐したところで失われたものは戻らないし、たとえ今いい人間だったとしても過ちは消えない。だからこそその過ちを忘れることなく考え続け、どう生きていくかが重要なのでは。女性たちがキャシーみたいなことをしなくていいような社会にしていかなければならないと強く思いました。

 主演のキャリー・マリガンがこういう役をやるのは意外でしたが、複雑な感情をうまく演じていて素晴らしかったです。2022年全米公開予定の「She Said」ではあの#Me Too運動のきっかけとなったハーヴェイ・ワインスタインによるセクハラと性的暴行事件を暴く記者役を演じるそうなので、そちらも日本で公開されますように。

 ちなみに見出し画像はプラザで買った韓国のONE THINGの化粧水です。香水のようなシンプルなパッケージと成分がいいですね。迷ってヒアルロン酸にしてみましたが、ブロッコリーとか珍しいものもあってそちらも気になります。