「アシスタント」「M3GAN/ミーガン」
映画の感想2本まとめて。まずは映画業界で働く新人アシスタントの一日を描いた「アシスタント」から。
また#MeToo映画?と思うことなかれ。食事も満足にとれない長時間労働、パワハラ、セクハラ、厄介な仕事を押し付ける同僚、少しずつ降り積もっていく理不尽な出来事の数々は誰しも身に覚えがあるはず。淡々とした静かなトーンだからこそ、より気持ちが伝わってきて胸が痛かったです。
そして性被害を受けた当事者ではなく、告発しようとしたのに黙らされる側の視点から描かれているのも新鮮。傍観者でいたくなかったからこそ勇気を出したのに、最初は耳を傾けてくれそうだった人事担当者も「考えすぎでは?」「君のポストを欲しがっている人なんてたくさんいる」しまいには「君は彼のタイプじゃないから大丈夫」などど言い出す流れのなんとリアルなことか。やっと入った憧れの映画業界でそんなことを言われたら、心が折れてしまうのも無理はないと思います。
最後の最後まで名前が呼ばれず、やっと「ジェーン」という匿名の女性によく使われる名だと分かった時に「あぁ、これは特定の誰かではなく理不尽な経験をした全ての女性たちの話」なのだということに気付かされ愕然としてしまいました。何かを諦めてしまったようなジェーンの背中と、彼女が着ていたスモーキーピンクの透けるトップスが瞼に焼き付くラストでした。
重たい作品が続いたので、気分転換に次に選んだのは「M3GAN/ミーガン」です。ホラーもので人形というと「チャイルド・プレイ」のチャッキーが浮かびますが、彼より賢く可愛くダンスも踊れて身体能力も抜群なミーガンはとても魅力的。彼女のくねくねしたダンスがネットでバズったのもうなづけます。
子育てや教育をAIに任せたらどんなことが起こるか?というのは将来的に論争が起こりそうなテーマでもあり、怖いというより興味深く観てしまいました。残酷描写はほとんどないけれど、この人ミーガンの餌食になるだろうなと思った人が着々と殺られていくのはホラーの王道。ミーガンの衣装もミケーレ時代のグッチっぽくて可愛かったです。
見出し画像は下北沢のカルパシで食べたフェネグリークバナナとミックスナッツクミンシードのジェラート。ナッツの塩気が効いていて美味しかったです。もちろんカレーも。この日はキーマとスリランカポークにしてみました。
あっという間に上半期が終わってしまうので、次回は買って良かったものやセールの戦利品などまとめたいと思います。蒸し暑い日々が続きますが、皆様ご自愛くださいませ。