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「異人たち」と「未来のかけら:科学とデザインの実験室」展


 アンドリュー・ヘイ監督「異人たち」を観たので感想を。まさか子供の頃テレビで何度も観た山田太一原作・大林宣彦監督「異人たちとの夏」がよりによって大好きな監督でリメイクされるなんて!と楽しみにしていました。
 「中年男性が子供の頃事故で亡くなったはずの両親と再会する」という本筋はそのままに、主人公アダムの恋人ハリーを男性に置き換え「孤独と愛」の部分を強調することで監督らしさもありつつちゃんと現代の物語に。両親にゲイであることやそれを理由にいじめられたと告白するシーンで世代間のギャップを描き、お互いが歩み寄ることで原作とも通じる家族愛の要素もあったのがよかったです。
 最近知ったのですが、原作の山田太一氏も子供の頃母親を亡くしていてまさに自伝的な小説だったのですね。私も13歳の時に同じような経験をしたので、また会えたらどんな話をするだろうかとアダムに感情移入せずにはいられませんでした。特にペットショップボーイズの名曲「Allways On My Mind」が流れるクリスマスのシーンは涙を堪えきれず。(グザヴィエ・ドランも劇中で使ってた)
 意外なラストにびっくりする人もいるかもしれませんが、アダムは自分の孤独から逃げず向き合うことで愛を知ったのだと思います。ハリーを演じたポール・メスカルは「aftersun/アフターサン」に続き、繊細な役が似合ういい俳優ですね。

 ついにGWが始まりますが、我が家は投薬中のおかゆ嬢もいるので特に予定もなし。そんな方にもおすすめ、先日行った21_21 DESIGN SIGHTの「未来のかけら:科学とデザインの実験室」展のことなど。

特殊な生地に熱を加えて模様を浮き上がらせたA-POCのブルゾン

 科学は宇宙開発や医療分野だけでなく、デザインを通じていつも身近にあるものだというのを再認識させてくれる展示でした。文系の私でも説明をじっくり読むと理解できたのでご安心ください。

てんとう虫の羽の畳み方なんてちゃんと見たことなかった

 人間が一番進化していると思いがちですが、昆虫の羽の畳み方や、ナマケモノやキリンなどの動物の骨の仕組みなどまだ解明されていないことや学ぶことがたくさん。

進化版たまごっち

 神経細胞ニューロンを培養し、話しかけたり刺激を与えることで育成していくという試みも興味深かったです。偏った情報を与えたらどうなるのかと思うとそれはそれで怖い。

 見出し画像はukaのペディキュアスタディの新色ブドウイロ。草木染めのような渋めのパープルで和の雰囲気もあってお気に入り。マットトップコートを重ねても良さそうです。急に暑くなって皆様体調など崩されませんよう、良いGWをお過ごしください。