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「愛玩動物看護師法」よりよい動物医療を提供する為に

令和4年5月1日より「愛玩動物看護師法」が施行されました。

「愛玩動物看護師」という資格が誕生し、順次国家試験が行われていきます。

この法律の施行により一体なにが変わるのでしょうか?

現場で働く目線からすると、ペットを飼っている方々にはとてもメリットがある法律だと感じています。


動物医療の質の向上が期待できる


第1回「愛玩動物看護師国家試験」は令和5年2月19日に実施される予定です。
この試験を合格した者が「愛玩動物看護師」を名乗り動物医療現場で勤務することが可能になります。

国家資格化することで動物看護師のレベルが一定となり、業務の幅も増えさらに質のよい動物医療が提供できるようになることが期待されています。

動物看護師の現状について

先ほど国家試験について触れましたが、逆を言うと今まで資格を持っていなくても「動物看護師」を名乗ることができました。

専門学校を卒業した者、大学を卒業した者、まったくの未経験から始めた者…

現状の「動物看護師」は知識や技術にとてもバラつきがあるのです。

動物看護師の資格は、民間会社が提供するものから始まりました。
その後需要が高まるにつれ、知識・技術を一定化する為に「動物看護師統一認定機構」が発足しました。

この試験に受かれば「認定動物看護師」として民間資格よりもレベルの高い動物看護師として認定されます。

しかし、この「認定動物看護師」の試験も令和4年2月が最後の試験となりました。

今後は来年2月からの「愛玩動物看護師」国家試験1本となるのです。

動物看護師の需要が高まる理由

令和3年時点で、飼育される犬猫の頭数は1600万頭とも言われています。

ここ数年のコロナ禍の影響で自宅にいる機会も増え、飼育頭数も年々増えています。

さらに動物病院の専門科診療も近年増えてきました。
今までは人の病院のように内科や外科など分かれておらず、全ての疾患をまとめて獣医師が診察をしていました。

最近では、整形外科、眼科などより専門分野に特化した病院も増えてきています。

このことから獣医師だけではなく、動物看護師のサポートも重要視されるようになってきました。

今後の課題

そんなよりよい技術と確かな知識を求められる動物看護師ですが、まだまだ課題もあります。

まず教育現場ですが国試に向けて新カリキュラムが設置されました。

新カリキュラムには今までにない分野が追加され、教育現場も対応に追われています。

また現在勤務中の動物看護師の間では、国家資格化により高いレベルの技術と知識を求められどこまでついていけるか不安の声もあがっています。

国試も第1回目ということもあり、未定な部分も多く無事執り行われることを願うばかりです。

まとめ

「愛玩動物看護師」がこれからどんな影響をもたらすのか、私たち現任者にもまだわかりません。

ですが国家資格化により質の高い医療が提供できるようになることは間違いないでしょう。

不安なことも多いですが、動物看護師だけでなく医療現場全体で一丸となってこの新資格に向き合っていきたいと思います。

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