Minecraftに青銅ツールがあったら面白いと思うんだ……

前置き:既存のツールについて

Minecraftの世界には、いくつかの種類のそれぞれ特徴的な材料と、それらから作ることのできるツールがあります。材料の特徴に応じた性能を持つツールは、ゲームプレイに奥行きをもたらしています。

木のツールは最も初歩的なツールです。作るために必要になる材料は棒と板材の2種類で、どちらも木製です。木のツールにできることは多くなく性能も耐久もよくありませんが、素手よりはずっとましです。素手では石ブロックを破壊してもアイテム化しませんが、木のツルハシであれば丸石というアイテムとして入手できます。ここで手に入れた丸石は、このあと石ツールを作るのに使われます。

石ツールは序盤の強い味方です。作るために必要になる材料は棒と丸石。大抵の場合、最初の丸石は木のツールを使って手に入れることになるでしょう。しかしそのあとは、石ツールによって石ブロックを採掘しアイテム化させることができるようになります。石ツールさえ手に入ったら、木ツールの出番はそうそうないものでしょう。

石ツールで手に入れた鉄の原石をかまどで精錬することで鉄が手に入り、そこから鉄ツールを作ることができます。木から石、石から鉄と、どんどんグレードアップしていくと、やれることもどんどん増え、やりやすさもどんどんよくなっていきます。このあたりがMinecraftの世界での生活が安定し始める頃でしょうか。不便を解消していく楽しさを存分に味わうことのできる段階です。

Minecraftには鉄以外にも金属があります。金から作ったツールは、鉄以上に早く採掘ができるため魅力的なものです。しかし現実同様、金はとても軟らかく、金で作ったツールは耐久性がとても低いです。また、金鉱石のような一部のブロックは採掘もできません。非常に扱いにくいものの場合によってはとても役立つ、という両極端な性能は、RTAなどの極限状況では面白い効果をもたらすでしょう。

Minecraftには金属として銅もありますが、銅からはツールを作ることができません。そもそも銅は鉄や金よりずっとあとになってから実装された金属で、銅もまた柔らかい金属です。現在のMinecraftでは、銅はほぼ装飾用といった立ち位置です。

鉄以上の性能を持つツールの材料としては、ダイヤモンドやそれを加工したネザライトがありますが、ここでは割愛します。それらは高コストではありますが、それに見合うだけの高い性能を持っています。

本題:銅もツールとして使いたい!

前置きとして、Minecraftにおけるツールの段階的なアップグレードについてまとめました。ここに要約すると「木→石→鉄→ダイヤなど」となります。

しかしこのアップグレードの順番は、一部の目ざとい人からしてみると不自然なものでしょう。手に入りやすく加工しやすい木製から、よりツールの材料としての適した硬さを持つ石製に移行するのは、まだ自然なものです。しかしその後、石を使っていた状況から鉄を使うようになるまでのアップグレードは、現実の文明の進歩の仕方に照らして考えたとき、とても急すぎるのです。

現実の文明は大抵、石器時代と鉄器時代との間に青銅器時代が入ります。青銅とは銅と錫の合金で、銅だったころよりずっと硬く、また融点は低く炉で扱いやすい上に展延性も適度にあり加工しやすい、という非常に優れた性能を有しています。いずれ精錬などの技術の向上によって鉄器に取って代わられるものではありますが、青銅は文明が発展する上で非常に重要な役割を果たした物質であると言えるでしょう。

銅であればMinecraftにもあります。しかし現段階ではツールとして使えるようにはなっておらず、装飾として使えるくらいです。「銅もツールとして使いたい」という意見はプレイヤーたちの中では一定数あり、銅ツールを追加するMODが開発されたこともあります。個人的にも、せっかくの銅が銅像作り程度でしか使われないのはもったいないと感じていて、何かしらの形で活かされることを臨んでいます。

そうして私は夢見るわけです。錫が実装されたら青銅が作れるようになり、そうなったら、青銅ツールが使えるようになるだろうなぁ……と。

脱線:これは本当にそういう問題なのか?

銅にも楽しい使い道ができてくれるといいな、という思いはたしかにありますが、それ以前に考えるべきこととして、「Minecraftの世界における元々の精錬技術の高さ」及び「かまどの万能さ」があるかと思います。

丸石から作ることのできるとても基本的なブロックとして「かまど」がありますが、かまどは丸石をいい感じに並べたものとしては考えられないほどに高性能です。生肉を焼くなどの調理ができるのはもちろん、鉄や金や銅の精錬までできてしまうのです。現実で青銅器時代があったのは、鉄の精錬が青銅器の精錬に比べ難しかったから。しかしMinecraftでは、かまどがなんでもできてしまうために青銅器時代の必要性・必然性がなくなってしまっているように感じられる状況になっているのです。

またMinecraftには、かまどとは別に溶鉱炉というブロックもあります。かまどをアップグレードしたようなこれは、調理などには使えないものの、鉱石の精錬はより高速に(2倍速で)行えるというものです。特化型と言えますが、そもそも鉱石を大量に精錬する機会があまりないため、特化しすぎていて使い所が限られてしまっているとも感じられてしまいます。

やはりそもそもの問題点として、かまどが万能すぎるというものがあるように思います。溶鉱炉で精錬できるものはかまどでも精錬でき、かまどそのもののコストも溶鉱炉と比べ圧倒的に低い。溶鉱炉で2倍速にするくらいなら、そもそものかまどを2倍設置したほうがいいかもしれません。

感想:ゲームバランスって難しいね

  • 銅にも装飾以外の使い道が欲しい(ツールだとなおうれしい)

  • 石器→鉄器のギャップが気になる

  • 溶鉱炉に何か固有のアドバンテージが欲しい

  • 弱体化しろとは言わないが、かまどが万能すぎるのが正直つまらない


とても個人的な感情論として。

本家Minecraftに銅が追加されるより前、MODなどでは銅は工業用の要素として独自に実装され活用されていました。そういった様子を見てきたプレイヤーの視点からは、本家に実装された銅は少し退屈です。銅像を建てたり建物の装飾で使ったりするのも悪くはないのですが、Minecraftの醍醐味だと私が思っている「生活における利便性の向上」に直接的に関わってくる要素があると嬉しいのです。今後の活躍に期待しています。

また、かまどとは別に溶鉱炉や燻製器といった精錬のできる要素を追加するときに、それらに与えたアドバンテージが小さすぎるようにも感じられます。

  • 精錬が2倍速でできる

  • 燃料も2倍速で消費される

  • 精錬できるアイテムは限定される

  • 獲得できる経験値は半分になる

というのはあまりにも微妙です。なんなら焚き火が、追加された要素として最も魅力的なくらいです。溶鉱炉の精錬対象が増えたら……しかし最有力候補の銅がこうでは……。

ゲームバランスの調整は非常に難しいものだというのは理解していますが、今後のアップデートでうまく適合する形に収まってくれると嬉しいですね。


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