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【シナリオの役割】:ラノベ作家によるソシャゲシナリオ用語集2

2回目は【シナリオの役割り】についてです。外堀を埋めるようにゆっくり行くイメージ。

※初めての方はこちらからお読みくださるといいかも。

①【一般的な意味】ソーシャルゲームにおけるシナリオの全体像をつかみたい方。
②【一歩踏み込むと】ソーシャルゲームの運営にかかわっており、シナリオ方面の知識を増やしたい方。
③【ソーシャルゲームシナリオを創作するラノベ作家向け】ソーシャルゲームのシナリオ執筆に関わっているライター、ディレクターの方。特にソーシャルゲームシナリオに興味をもっているラノベ作家に向けたもの。

今回の用語【シナリオの役割り】

①【一般的な意味】

一般的にゲームシナリオは、ストーリーとキャラを魅力的に描くことで、ユーザーの満足度に貢献することが役割とされる。

②【一歩踏み込むと】

 ストーリーを色鮮やかに描写することにより、ユーザーの好奇心を刺激し、ゲーム継続性担保の一要因となることも同時に期待されている。

 特にソーシャルゲームシナリオにおいては、キャラクターを深く魅力的に描写することにより、いわゆるキャラ愛を深化させ、引いてはアプリそのものへの愛情、深い感情移入、いつも身近に感じていたいという愛着へと導くことも期待されている。

 ストーリーとキャラの魅力は、ソーシャルゲームシナリオの両輪と言える。
 

③【ソーシャルゲームシナリオを創作するラノベ作家向け】

 というわけで、ソシャゲにおいて、シナリオには様々な役割を期待されている。

 だが、ラノベ作家がその期待に応えようと思った時には注意しなければならないことがある。
 それは、強すぎる自我である。
 
 ライターの自我や表現欲が強すぎると、テキストで表現可能な諸要素をすべてをシナリオで表現しようとする傾向が現れる

 その我欲傾向のまま、ゲームが持つ他の表現方法である楽曲や音楽、UI(ユーザーインターフェース)、声優さんの演技、イラストやビジュアルとの協業によるシナジーを無視したシナリオを作ってしまうと、ライターはシナリオディレクターに手痛いFB(フィードバック)をもらい、精神を病む。

 これは、ライトノベルを書く者は良くも悪くも自我や表現欲が強いので(強くないとデビューしづらい)しかたない問題。(そのうえ、小説は音、匂い、温度、雰囲気、声、風景などもテキストで表現できてしまうので、他要素とのシナジーをそもそも意識しない)

 このソーシャルゲームシナリオにおける『他の表現方法まで視野を広く持つことで手に入れることができるシナリオ構築の引き算のバランス感覚』は、ライターのスキルというより、(シナリオ/ゲーム)ディレクターのスキルであるため、ライターはスキルを向上させようとした場合、ディレクタースキル方向への意識の拡大が必要になってくる。

 逆に、まったく自我や表現欲のないライターがシナリオを作成依頼してしまうと、キャラの魅力表現や書き分、ストーリーのだいご味もまったく盛り込まずに文字数だけ埋めてくるため、FBとFB対応が重なり、スケジュールは崩壊し、今度はシナリオディレクターが精神を病む。

 ちなみに、②でストーリーとキャラの魅力は、ソーシャルゲームシナリオの両輪と言えると書いたが、ソーシャルゲームの場合、どうしてもキャラの魅力がそのままユーザーの『好きだ! このキャラがどうしても好きなんだ!』とい強いう希求にダイレクトにつながるため、ラノベ作家は特に、ソーシャルゲームシナリオにおいては『キャラの魅力描写>ストーリー描写』という判断を念頭に置いた方がベター。

 ただし、ゲームの広告には往々にして『〇〇万文字を超える壮大なストーリー!』と、表層的にはどうしてもストーリー押しをしてくる(そしてユーザーも表の意識ではストーリーを求めてくる。けれどもちろん深層心理ではキャラクターの魅力を求めている)ので、ライターは世間一般的なストーリー偏重傾向に惑わされないように注意。

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今回の用語【シナリオの役割】のまとめ

・シナリオでは『ストーリー』と『キャラクター』の魅力により、ユーザーに深くコミットすることが期待されている。
・ラノベ作家は、『キャラクター』の魅力描写に力点を入れるとバランスがとれるかも。
・シナリオ含むソシャゲのあらゆる要素は、それぞれが協業し、シナジーを生み出し合う存在。
・なので、シナリオも他のファクターありきのマインドセットで執筆するといい感じになる。

 以上です。
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