コロナで社会的に弱いところが浮き彫りになった、という話。
今日のWEEKLY OCHIAI「"コロナ第2波"と日本の命題」の内容が面白かったので、メモメモ。
【メモ】
■コロナの現状・対策について
・第1波の時に検査していたのは重症者中心、第2波では無症状を含めて検査対象を広げているので見ている範囲が違う。
・第1波に比べて重症者数は少なくなっており、実行再生産数が1.23前後(東京都)で推移しているからといって油断はできない。
・無作為抽出で調査をすると、無症状含めて2~300万人程度は感染者がいると推定できるのではないか。
・検査数を増やすだけではなく、コロナの蛇口をどう閉めるか、民主主義下での有事対応をどうするかという議論も大事。
■日本の状況について
・ドイツは罰則によって上手く抑え込むことができているが、日本の場合は現状そこまで厳しくできないため、合理的に動かない人たちが我慢できず動物的に動いて再び広げてしまった。
・新しい生活規範を提案しても、複雑だと市民に浸透せず、スウェーデンやコレラ禍のロンドンのように「健康が大事。よく食べ、よく寝る。」程度の思考に留まってしまうのではないか。「Stay Home」のようなイメージで14文字くらいで伝わるように。
・お茶の間に馴染みのある芸能人の死など、新しいフィクションが受け入れられるには死生観も有効。
・もし2年間ほど自粛が続くのであれば、鼻をつまんで水に潜れる期間を大きく超えているので、やはりリスクの高い・ガイドラインを守らないところに絞って自粛などをかけていき、一定のルールの中で経済を回していかないといけない。
・2020年6月中のマネー供給は28%増加し、今のところインフレ要素は少ないが、このマネーはどこに向かうのか。
・この機会に、平時の延長線上の制度運用ではなく、国会議員を半数にする、大統領制にするなど、有事に即座に対応できる国家体制に変わるチャンスなのではないか。
■社会全体について
・合理性の中で切り捨てられてきた人たち(外国人、労働者階級、夜の街、若者)、社会の弱いところから広がっている。
・ショックセラピーでオールドノーマルに戻さないようにした方がいいのではないか。
・ワクチンを打って抗体(3ヵ月程度は有効か?)と細胞免疫で対応できればよいが、過去の感染症の事例で、ワクチンを打った方が返って重症化したケースもあるので注意が必要。
・PCR結果や滞在期間の行動に関して、入出国時のデジタル通過証(コモンパス)の必要性。(ただし、感染して1~2日だと陽性判定は出ない)
・データに関するルールが出来ても、「私の個人データをどうしてくれるのか?」というDFFTなどへの個人の信頼や納得をどのように得られるかは議論が必要。
・米中対立を見ていると、データ連携を統一して管理するということが果たして現実的なのか疑問である。
・日本は好む好まざるに関わらず、コロナ禍でも東京オリンピックで国境開放せざるを得ないポジション。ルールメーカーにはなれないが、ルールシェイパーになれるのではないか。
【所感】
コロナはどちらかといえば、社会的に強いところ(都市部)からクラスター化して広がったというイメージでしたが、実は社会的に弱いところ(虐げられてきたマイノリティな市民)から広がっていったのだ、だからこそ合理的に切り捨ててしまうのではなくきちんと対話して包摂していかなければならないのだ、という視点は新鮮で、そこから戦後民主主義や合議制の在り方自体を問う話にまで発展していったのが非常に今回の見どころでした。また見よ。
ではでは。
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