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2021年もエブリデイ大原美術館 15日目〜丑年が始まった〜

元日もオープンしている大原美術館。ありがとう。

本日の作品は、児島虎次郎の「小牧牛」

元日の朝は、チラチラと雪が舞い美観地区を訪れる人もまばら。
美術館内に入れば、唯一、掛け変わった絵があった。
本館に入ると、
迎えてくれるのは児島虎次郎の「和服を着たベルギーの少女」
その裏側にあった絵がなくなった。
ジュール・フランドランの「花を持つ少女」はいなくなっていた。

丑年だから「牛」のつく作品を

「小牧牛」とタイトルはあるが、牛は登場しない。
おそらく中国の劇団なのだろう。
以前、上海で見たことがある伝統芸能「変面」を思い出した。
赤と金を中心とした派手な衣装に、白塗りの化粧。
右手に持っているのは、牛を追う際のムチのようなものだろうか。
左には長い笛を持った少女か少年が立っている。

児島虎次郎は異文化が大好き

「和服を着たベルギーの少女」のように
海外と日本の文化が混じっているもの、
また、
当時まだあまり知られていない海外を届けたいという思いを感じます。

ピント

この絵にはピントがあっているところとそうでないところがある。
人間の眼の仕組みと同じで、全体を見ているのだが、
実際にはピントがあっているところと、
ボヤッと見えているだけのところがある。
この絵も同様に、主人公にしかピントがあっていない。

主人公の女性に魅せられた?

中国の伝統芸能は、煌びやかで美しい。
児島虎次郎は違う。この女性が美しいと感じたのではないだろうか。
化粧をした顔からは、その本質的な美しさはわからない。
ひときわ、美しいのは、手。
女性のしなやかで長い指。
ムチのようなものに均等に装飾された馬の尻尾のようなフサフサも
なぜがしなやかで清楚に揺れる。先端には花が2つ咲いている。

それ以外はどこもぼんやりしている。(ピントが合っていない)
彼女を取り巻く状況などどうでもいい。
異国の名前も顔もわからない彼女の女性らしさに、
ただただ、惹かれているように見える。

児島虎次郎の目線

絵に描かれている二人より少し高いところから見ている。
そして、二人とも児島虎次郎の方は向いていない。
これが舞台(演劇)だとすると、虎次郎は観客席の中段にいる。
特別ではなく、客席からの眼差しとして描いている感じが好感がもてた。

エブリデイ大原美術館の14日目はこちら

毎日、大原美術館に行くようになった理由




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