不確定日記（味覚の情緒）

　ここ最近、あれ、なんかすごい美味しいな、と思うことが多く、それはタコだったりケイジャンチキンサンドだったり干し椎茸だったり、元々好物ではあるが、毎回しばらくジーンとしてしまうような感激があるので、ちょうど大雨だったりもして気候や体調による情緒不安定を疑っていた。わたしは自分の気分の上下を基本的にあまり信用していない。どこか他人事なのは、子供の頃からの癖だ。同級生に無視された時などに役に立ったようにも思うし、相談相手として冷めすぎている、と言われたこともある。

　ともあれ、今日感動したのはパスタに入っていたえんどう豆に対してで、え、いいにおいで甘い、と驚きながら、どうやらこれは今まで口中にあった歯列矯正用の針金がないからでは、と気づいた。つまり、わたしの口中は３年間、うっすら不味かったのではないか。ただ、まだ飲食と歯磨き以外の時間はリテーナー（保定のためのマウスピース）をつけていてその味がする。

　外出先で歯を磨くのは思うよりも難しい。デパートのトイレに手洗い場の付いているパウダールームを見つけて、人がいない時に急いで磨いた。