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現役放射線技師が実際に静脈注射をした感想

はじめに

こんにちは、技師歴9年目で民間病院勤務のおかつです。

診療放射線技師法改正による業務範囲拡大で、放射線技師も造影剤を使った検査のための静脈注射ができるようになり、私の職場でも続々と、携わる技師の数が増えました。

この場を借りて、先陣を切って取り組んだ上司、後輩には感謝を伝えさせていただきます。

さて、今回は、私が実際に造影剤投与のための静脈注射に取り組み始めてみて、色々と感じたこと、考えさせられたことがありましたので、まとめさせていただきます。

参考になればと思うとともに、他施設ではどういう運用なのかご意見、ご感想をいただきたいです。

それではいきましょう!!

放射線技師が実際に静脈注射してみての感想


伝えたいことは大きく3つあります。

  • 造影検査を技師だけで一貫してできる喜び

  • 技師人生で1番緊張した

  • 注射をしたくない人のケアはどうする?

造影検査を放射線技師だけで一貫してできる喜び

かつて、仕事中にこんなやりとりがありました。

上司「技師だけで造影検査ができれば、検査に対しての思い入れが強くなるんだと思うんだよね。」
私「確かにそうですね。」

今、放射線技師が静脈注射をできるようになって本当に嬉しく思います

その理由として大きく3つあります。

①より効率的になる
②より検査に対して責任感が芽生える
③より技師の仕事の幅が広がる

私が特に、強調したいのが①より効率的になった点です。私が、転職する前の職場では、マンパワーがなかったので、CTの造影検査の時は、日替わりで注射担当の医師、看護師にリレー形式で電話をするということをしていました。放射線科専属ではなく、各科所属なので、あたりまえですが、呼んだら必ずくるとは限りませんし、協力的ではない方もいました。

私はこの注射担当の人を捕まえる作業が本当に苦痛でした。なんなら、CTの検査時間よりも注射担当を捕まえる方が、時間がかかるなんてことがザラにありました。

その時の率直な思いとしては、「なんなん、この仕事」って感じでした。

こんな経験があったからこそ、技師が静脈注射ができればいいなと思っていましたし、それが現実になってとても嬉しいです。

また、②、③に関しては、技師だけで完結できる検査が増えて、病院内での地位向上が望めそうなので、それもまた嬉しいです。

技師人生で1番緊張した

最初の1回目はマジで緊張しました。人間に刺すのはこういう感覚なのかと、おそらくその時の感触は一生忘れないと思います。

個人的には、技師が関わる仕事で1番侵襲的な手技であると思っています。

私も最近やり始めたばかりなので、数をこなしたらこの緊張も落ち着くのかまだ分かりませんが、また、何か進展があれば追記したいと思います。

注射をしたくない人のケアはどうする?

注射が緊張するとかいうレベルではなく、本当に無理なんですという人も間違いなくいると思います。なぜなら、私が関わってきた人の中には、注射がないから放射線技師になったと言う人がいたからです。

そういった方々の対応をどうするのか?というのが各施設で課題になってくるのではないかと感じました。

今回の、法改正では、告示研修を受けることは必須で、業務に取り入れるのは各施設の判断になると思います。おそらく、現場の意見によっては、業務に取り入れる施設、取り入れない施設が出てくると思います。

業務に取り入れる施設で、注射をやりたくない人のケアをしっかりしないと、特に若い子たちは、最悪やめる可能性も出てくるんじゃないかと思いました。

まとめ

いかがだったでしょうか?

新しいことには、不安や苦痛を伴いますが、本当に視野が広がりましたし、技師の仕事により深みを持つことができました。

技師の静脈注射に前向きな施設、そうでない施設。前向きな人、前向きでない人、色々あると思います。それぐらい、今回の法改正はインパクト大だったと思います。

いずれにせよ、放射線技師の仕事を楽しくできたらいいなと思います。

共に頑張りましょう!それでは!!


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