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わたしの宮崎案内

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#宮崎

自意識の向こう側

自意識の向こう側

かっこいいお店。昭和とかレトロとか、味があるとかないとか、安易な分類で終わらせるにはもったいないプレシャスが、ここにはあります。

昭和55年創業。日々の積み重ねで培われてきた「速い安い美味い」と「丁寧や優しさや愛」の両立っていうのかな。なんていうのかなーと考えあぐねていたら、「味と心のおもてなし」って暖簾が。そうか、もてなすという概念のひとつの解が、ここにはあるんだ。

時間がかかることを丁寧さ

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過度と不足のあいだ

過度と不足のあいだ

小津安二郎の映画に出てきそうな、楷書の似合う孤高の酒場だ。繁華街ニシタチ(西橘通り)の路地裏に、文字通りひっそり佇む「酒と肴の店」の暖簾をくぐると、6席のカウンター。屋号入りのお猪口。黒板にはその日の一品料理が達筆に書かれ、その横に「今週の酒」紹介が毛筆で並ぶ。年齢をうかがって驚きの髪艶を保つ女将が、着物に割烹着姿で迎えてくれる。無駄なものや浮ついたものが削ぎ落とされ、必要なものと店主が本当に大切

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