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【早春催事特集ダイジェスト】でん六 豆まき節分文化を守れ! 『鬼滅アそーと』が大人気

 日本のお菓子メーカーの中で同社ほど節分を大事にしているところはないだろう。言うまでもなく節分とは雑節の一つで、季節の始まりの日の前の日を指す。雑節とは立春や春分、夏至といった二十四節気や五節句などの暦日のほかに季節の移り変わりをより的確に表す特別な暦日。国立天文台の歴象年表によると今年の立春は2月2日で節分は2月3日となる。

 季節の変わり目に起こりがちな病気や疫病、災害を鬼(邪気)に見立てそれを追い払い、幸せを招き入れる。同社は毎年出羽三山の一つとして名高い羽黒山に赴いて、「でん六の豆」を奉納している。世界中の人々が「豆で幸せになりますように」との祈りを込めて山伏による祈祷を受けている。

 これは「豆とともにマメに生きる」という企業精神の表れでもあるが、3年越しでいまだ収束の見通しが立たないコロナ禍退散への思いは今年は特にひとしおだ。

 さて、同社の節分企画といえば、天才漫画家の故 赤塚不二夫さん(フジオプロダクション)が描くおなじみの鬼キャラクターだ。今年の鬼は干支の寅年にちなんで「トライ鬼」と名付けられた。挑戦を意味する英語の「トライ」の二つを掛けた。鬼と言えば虎柄の派手なパンツ。今年の鬼はひときわ似合っている。

 毎年好評で話題を呼ぶ今年のテレビCMは、早口言葉バージョンだ。同社キャラクターのでんちゃんが「青豆まけ赤豆まけ、でん六豆、全力でまけ」をトライ鬼に言わせようとするが、すぐにつっかえてモゴモゴしてしまうという愉快な内容だ。全国で放映中。

 営業本部長の小池二三常務取締役は次のように意気込む。

 「すべての節分企画商品がイチ押しと言いたいところだが、中心となるのは『小袋福豆』(115g、OP)と『鬼滅の刃/鬼はアそーと!』(95g、希望小売価格300円)の二つ。『鬼滅』は、パッケージデザインを青赤黄の3種類(昨年は2種類)に増やして、売り場でより映えるようにした。今年のアイテム数は12だが、関連商材のエコノミー商品などを一緒に店頭に並ばせる予定だ。また今年は自分で組み立てる紙製の『節分鬼マスク』を新企画として提案している」

 登場して4年目を迎えて子どもたちに大人気の『豆まきバズーカー』も少しだけリニューアル。安全性に十分留意しつつゴムの弾性を改良し、飛距離を伸ばしている。

 「東北・山形が本社のでん六には『地味にマメにコツコツ』という企業風土、社風がある。販売戦略や宣伝手法などについても、どちらかというと派手な展開は苦手だ。しかしこの節分の季節だけは我が社の製品が売り場の主役をはれる『大変有り難い時期』になる。小売店や卸の方々も全面的に応援してくれることも心強い」

 2年続けてのコロナ禍にあっても、めげることなく年末から販売体制を整えてきた。

 「この時期は年末商戦用の大袋製品の供給もあり、まさにてんやわんやの忙しさになる。そこで全国の営業所は年始からフル回転で動き始めて、スーパーやコンビニなどへの陳列を行ってきた。年末から節分までの期間は売上的にも重要だが、『豆まき文化』を守り続ける(でん六の使命)という意味でも、きわめて大切だ」


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