新温泉町議会災害時対応マニュアルと議員の対応

近年、災害が頻発化、激甚化しております。
新温泉町でも災害対策本部、災害警戒本部が設置されるような機会も増えているところです。実は、新温泉町議会には災害時対応マニュアルがあります。(令和5年2月に施行されました。)

本記事は、災害時の議会・議員の動き方についてご説明します

※新温泉町議会災害時対応マニュアル令和5年4月1日修正版をもとにして記載します。


基本方針

マニュアルの対応方針には会議中や研修中などのケースで分けられて記載があるのですが、住民に直接関係のある「休会中・閉会中」(=日常生活時)における対応をご説明します。

◆ 散会後・休会中・閉会中に災害が発生した場合の対応

 (町災害対策本部が設置された場合を想定)

1.議員は、電話又はメールで議会事務局へ速やかに安否を連絡し、連絡体制を確立する。
2.正副議長及び議会運営委員会正副委員長は、必要に応じ、議会運営委員会、その他会議等の開催について協議を行い、本会議及び委員会等の「開催、延期、中止」等の判断を行う。
3.正副議長は、必要に応じ、議員を招集することができる。
4.議員は、町ホームページ、テレビ、ラジオ等により災害状況の確認をする。
なお、災害状況の確認をする場合、議会事務局を通すこととし、直接、災害対策本部及び町担当部局への問い合わせを行わないこととする。

5.議会事務局は、正副議長に被災状況及び災害対策本部の対応状況を速やかに報告する。
6.議員は、地域における被災状況に応じた支援に努め、安全の確保や避難所への誘導などの協力をする。
7.災害が長期に及ぶ場合、必要に応じて全員協議会等を開催する。


◆ 住民に知っておいてほしいこと

①議員は、役場の関係各所に直接連絡しません

前述の4と6が主に住民に直接関係することかと思います。

4は議員の情報収集に関することやんか、と思われるかもしれません。しかしながら、議員は住民から事態の詳細を訊ねられたり、関係各所に直接連絡して情報収集や状況伝達をするよう言われることが多いものです。

議員から役場の各課に直接連絡してしまうと、電話対応に手間を取られるだけでなく、場合によっては議員に配慮することで指揮系統が乱れることもあります。

ですので、住民から何を要望されようとも、基本的には、議員は、役場の関係各所に直接連絡しません。

②情報提供や収集は、議会事務局を通して行う

役場に直接連絡はしませんが、議会事務局は別です。

役場への情報提供においては、議員から議会事務局へ伝達します。議会事務局を通じて、町の災害対策本部そして各課に情報が渡ります
議員に困りごとを伝えればそこから優先的に解決されるわけではなく、町全体での優先順位を決めて対応しますので予めご了承ください。

情報収集においては、災害対策本部から議会事務局を通じて、議員にメールで情報提供されます。ただし、その内容は町ホームページにあげられる「〇〇災害の対応状況(第◯報)」と同じような内容です。
あとは、自然に議員に情報が集まることもありますし、議員が知人友人に連絡して各地の状況把握に努めていることもあるかと思います。

また、被害が大きくなりそうなエリアに議員が足を運び状況把握しようとすることは、被害を拡大あるいは災害対応を阻害するおそれがあることから自粛するように言われております。(マニュアルには書いてありません)

③議員は被災状況に応じた支援に努める

議員には、災害時に特別定められた役割はありませんので、自分の家族を優先しながら、地域の被災状況に応じた支援に務め、協力することが方針として掲げられています。

なので、議員は災害が起きたときにすぐに招集されることはまずありません。災害が長期に及ぶ場合や集まる必要がある場合には、議会に招集されることはあろうかと思いますが、地域でお手伝いできることがあれば頼っていただいたら良いと思います。


◆ 参考:災害対策・警戒本部の設置基準

設置基準(新温泉町地域防災計画・風水害等対策計画編及び地震災害対策計画編より抜粋)


◆ 他市町における議員の対応

市町によっては、条例等で議長が災害対策本部に加わることを明記していたり、災害対応における役割を議員に与えている地方議会もあります。

どれが正解というわけでもありませんが、私としては、新温泉町の現行のやり方がベターかなと思っております。

理由としては、議員は居住地域(よく知った人が多く居る地域)の方が活躍できると思うからです。あまり面識のない人だと、議員に遠慮したりあるいは無理強いしたりすることがあるので、スムーズに公助に携われる場所で活動した方が良いのではないかなと考えています。

もちろん、被災状況を見て、議会で集まって都度必要なことを精査した上で議員に役割を与えることは良いと思います。



以上が、災害時の議員の対応についてとなります。
災害時の議員・議会の対応については、2011年の東日本大震災以降に活発になった内容でありますので、まだ議論は必要であると思います。
ご意見等ありましたら、ご連絡ください。

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