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【復習】カシマさん

おはようございます。『オカルトエンタメ大学』運営の小柳です。日曜日の朝、いかがお過ごしでしょうか?

私は次回の授業の準備で同じオカルトでもかなりジャンルの違うもの(イルミナティ・タクシー幽霊・メガロドン・クラーケン・憑き物・神隠し)を複数同時に調べているせいか、なかなかグロッキー状態になっております。

オカルト過剰摂取には注意したいところですが・・・・今朝も朝活という事で昨晩の授業の復習をしたいと思います。

吉田悠軌先生による、都市伝説ヒロインの1人・カシマさんについての授業でした。

かなり情報量の多い授業でしたのでしっかりと復習をお願いします。それでは早速始めましょう。


カシマさんの基本となる噂話

ある少女がカシマさんという名の女性の霊の話を聞いた。その夜、自宅にて、片手と片足のない女性の幽霊が現れた。女は少女を虚ろな目で見つめながら「足をよこせ」と言ってきた。少女が答えられないでいると女は少女から足を奪った。そして女は少女を見つめ「この話を誰から聞いた?」と尋ねてきた。少女が友人の名前を答えると不意に目の前が真っ暗に。翌朝、少女は手足を千切り取られて死体で発見。何故か手足が見つかる事はなかった。そしてこの話を聞いた人の元に3日以内にカシマさんが現れる・・・。

様々なバリエーションやパターンがあるが、これが基本の話。カシマさんの歴史は長く噂話も多い。だがその実態は掴めない。そんな謎に満ちた都市伝説界の裏ボス的存在がカシマさん。


カシマさんの歴史

・現存する最古の記録は1972年。当時発売されていた週刊誌「平凡パンチ」に掲載。これは1978年頃から噂となった口裂け女よりも古い。掲載内容は以下の通り。

「この話を聞いて3日目の夜中11~3時の間に化神魔サマという下半身のない妖怪が現れて3つの質問をしてくる。その時、正直に答えられないと呪い殺される。もし呪い殺されたくなければ3日以内に同じ事を、5人に正確に伝えなければばらない」。こういった噂が札幌市内の中学生を中心に流行している。不幸の手紙の口コミ版で鼠算式に広まる。

・この直後、新潟県糸魚川市でもカシマさんの噂が。「カシマという幽霊が出て子供を脅かしている。カシマの顔は半分焼けただれていて、子供に出会うと『足いるか?』と聞く。答えを間違えると1週間以内に殺されてしまう」

・それぞれ微妙に噂の内容が違う。これがカシマさんの特徴であり実体のつかめない怖さと面白さを持っている。

・ちなみに同時期に札幌と新潟で流行した背景としては、1972年に開催された札幌オリンピックにより、出稼ぎ文化のあった新潟の人々が、札幌に行きそこで噂を聞いて新潟に持ち帰った事で広まったのではないか?

・その後も70年~80年代にかけて全国的に噂されるが、口裂け女や人面犬のように国民全体に共有されるスターにはならず、それぞれの地域限定のローカル都市伝説だと思われていた。柴田理恵さんや、作家の福澤徹三さんも当時噂があったと証言している。

・数々の噂話を通じて、静かに、だが確実に全国に広まり、90年代の映画やゲームなどでキャラクターとして登場。また90年代末頃より主流になったインターネットに、新しい情報と設定が加わったカシマさんの話が投稿され話題となる。

・その後、テレビ番組にも取り上げられたりして多少、全国的にも共有される存在となったが、やはり口裂け女などと比べてメジャーではない。基本的にはずっと低空飛行だがロングセールの存在。

カシマさんの名前

・様々な表記や呼び名があり、噂話によってそれぞれ異なる。

・最古は前述の「化神魔サマ」。その後すぐにカタカナの「カシマ」や「カシマさん」「カシマ様」などが出てくる。また「カシマレイコ」や「カシマユウコ」というパターンも。さらに「仮死魔霊子」と漢字で表記されるパターンもある。

・また、妖怪そのものがカシマという名前かと思えば、一方で妖怪から身を守るための呪文が「カシマ」という場合もある。

カシマさんの特徴・容姿

大きく分けると以下の3パターン。

①四肢の一部を欠損した女性→これがほとんど
②四肢の一部がない日本兵→たまに
③顔や半身に火傷を負った女性→ごくまれに

90年代以降に入ると、②と③は消えていく。


カシマさんの出現

・現れる場所は様々。町や学校、外、自宅、自室、トイレに風呂、さらには夢の中まで。どこにでも現れる。

・カシマさんが現れると、とある問いかけをしてくる。問いかけに対して正しく答えないと大変な目にあう。これにも様々なパターンがあるが代表的なものをご紹介。

・「手をよこせ」「足をよこせ」と言われる。
→「手をよこせ」と言われたら「今使ってます」
→「足をよこせ」と言われたら「今必要です」と答える。
→これを言わないと手足を奪われる。だが答えても殺される場合も。

・別パターンとして、「私の足はどこ?」という欠損した手足の場所を問うパターンや、「足いるか?」「腕はいるか?」など、部位が必要かを問うパターンもある。

・またその後で「その話を誰から聞いた?」と問われる。それには「カシマさんに聞きました!」と答える必要が。答えなければ、やはり手足を奪われる。

・問いかけに対して最も有効的なのは「仮は仮面のカ、死は死人のシ、魔は悪魔のマ」だとされる。名前を付ける事は、怪異を分類し解剖する事であり、怪異を怪異で無くす呪術的な要素がある。

・これ以外にも色々な出現パターンや問いかけがあり、どれが正しい情報なのか明らかになっていない。


カシマさんの伝説

・カシマレイコという名のバレリーナが片足を失う事故にあい、それを苦に自殺。以降その霊が現れるという説。

・戦後すぐに米軍に乱暴されて四肢を撃たれた女性が自殺。その幽霊。女性の名はカシマさんという説。

・数ある中で最も代表的なのは踏切事故説。

ある冬の寒い日に少女が踏切の中で足を取られ列車に轢かれる。事故に気付いた運転士が電車から外へ飛び出し少女を見ると上半身と下半身が切断されている。だが少女の上半身はゆっくりと起き上がり、運転士の方に、地面を這いながら近づいてくる。「助けて・・・」と言いながら。驚いた運転士は逃げ出し近くの電信柱にしがみつき、よじ登る。少女はその運転士の背中にゆっくりおぶさってきた。しばらくすると、上半身だけの少女の死体を背負った運転士が電信柱の上で気絶しているところを発見。彼は恐怖のあまり発狂し亡くなっていた。少女は、余りの寒さで切断面が凍ってしまい出血が抑えられ、即死せずに、上半身だけでしばらくの間生き長らえた。

→これは北海道で起きた出来事として語られる都市伝説。この少女の名がカシマさんというパターンが。話を聞いた人の元に列車に轢かれた上半身だけの女性が「足返せ~」と現れる。


まとめ

・以上のようにカシマさんにはあらゆる噂話のバリエーションが存在。

・警告。授業で話した通りカシマさんの話を聞いた人の元にはカシマさんがやってくる。何度も授業動画を見て知識と対策を得る事が重要。

・カシマさんの研究本『呪いの都市伝説 カシマさんを追う』によると、カシマさんを調べていた都市伝説研究科家が失踪。そしてこの本の作者である松山ひろし氏も出版の翌年に姿を消している・・・・。


授業を通して思った事

踏切事故の話、「足いるか?」というセリフ、聞いたら3日以内に現れるというルール。

これらの要素を聞いた時に私が真っ先に思ったのは「それ、テケテケでは?」です。90年代に少年ジャンプで連載された漫画『地獄先生ぬ~べ~』でテケテケの回があり、内容はまさに前述の要素を含んだものだったのです。

当時小学生だった私は、「聞いたら3日以内にやってくる」という自分に直接危害を加えるかもしれない、そんなリアルな恐怖に相当怯えました。

今回、吉田先生に授業して頂くにあたり自分で色々調べたところ、この都市伝説はテケテケではなくカシマさんが元祖だったという事を知りました。詳しくは今夜の授業で明らかになりますが、テケテケ以外にも口裂け女や貞子など。あらゆる都市伝説・Jホラーに登場する女怪人&妖怪&幽霊はカシマさんの影響下にあるのです。

手足の欠損したおぞましい姿、誰かに言わないとカシマさんがやってくるという自分と関係のある恐怖、不幸の手紙のような呪の伝染・増殖、さらには助かるための方法がある、など。

これらの複雑怪奇な要素が他の都市伝説とは一線を画しており、爆発力はなくとも確実にじわじわと伝わり、本物の恐怖・タブーとして長い間、形を変えながら語り継がれているのではないでしょうか?

カシマさんの正体は今も明らかになっていません。カシマさんは一体どんな姿をして、どこにいるのでしょうか・・・?

以上。

今日も最後まで読んで頂きありがとうございました。

今夜の授業もこちらから。19時からです。是非。

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