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40代のうちにやりたかったことをやる旅 - リスボン編 -

40代最後記念に、”やりたいことリスト”から2つを選んで実行することにした今回の旅ですが1つ目の「ゲルニカを見る」に続いて、2つ目は「ロカ岬へ行く」。ということでスペインのマドリードからポルトガルのリスボンに飛びました。

カジュアルな移動リスボン

マドリードからリスボンへは、ポルトガル航空にしたのですが、36USDで買えてしまったのです。今回は2週間だけど7キロの機内持ち込み程度の荷物しかわたしはもっていなかったのでチェックバックもなくチケットもバーコード。わずか1時間の空の旅で到着したリスボンでは、シェンゲン圏内だったのでパスポートコントロールもなくてびっくり。品川から名古屋へ新幹線で行くくらいのカジュアルさじゃないですか。これならプノンペンとバンコク間もこういうのでいいですよね。いや、それよりカンボジアのビザをなくしてほしい。

石畳にキャリケースの受難

話がそれてしまいました。さて、リスボン空港に到着してから地下鉄で街の中心まで出てみると、まぁ、まぁ、なんて美しい街なんでしょう。スペインも素敵でしたが、リスボンの古臭くてでも洗練された感じに一目惚れ。ひとりじゃなかったら大声で「かわいい〜」って叫んでいたことでしょう。しかし、この「かわいい」には罠がありました。かわいさを演出している石畳の道。わたしはそこをキャリーケースを引きずって15分くらい歩かないといけないのでした。借りたアパートが意外と街外れ。まぁ15分なら東京でだって余裕で歩くじゃないかと思うかもしれませんが、ここリスボン、坂の街。その中心から外れた街というのが絵になる(絵にしかならない)景色だったのが幸いして、景色を楽しみつつ石畳の坂道アップダウンとの格闘のモチベーションに。たどり着いたアパートは、まぁ、まぁ、かわいいものでした。叫びましたよ、部屋に入ってから、「かわいい〜」と。

この下の急坂をキャリケースが暴走する

現地ツアーにのっかり旅

かわいいアパートで一晩過ごしてから、翌日の朝、満を持してロカ岬への旅に出発。いろいろ調べたのですが、8人でバンに乗って移動するガイド付きツアーを申し込みました。朝8時にHard Rock Cafeに集合して、テキサスのアメリカ人カップルと、コロンビアに住むアメリカ人カップルと、ベネズエラの父母娘家族と、わたし。8時間一緒の旅でした。まず、ロカ岬の前にシントラというおとぎ話から飛び出したような街とディズニーランドのような宮殿を散策してからランチ。宮殿はガイドさんの詳細な解説で面白かったし、ランチはガイドさんのおすすめレストラン一択、オープンと同時に入るようの指示に従って、大成功。コロンビアに住むアメリカ人カップルが「テーブル一緒に座りましょう!」って誘ってくれて、一緒に食事を楽しんだあげく、なんとご馳走していただきました。ひとりだったら、電車やバスの乗り継ぎ間違いそうだし、レストランもうっかりハズレそうだし、一日中口を開かないだろうし、今回はツアーにして自分的に大成功でした。

シントラのペーナ宮殿

いざ、ロカ岬、は、風が強かった

楽しいランチにビールを飲んでしまい、うとうとしながらたどり着いたのが、ロカ岬。有名な場所だから人がいっぱいいるのかなと思ったらそうでもなく、こちらひとりで、嗚呼、ついに来た、ついに来た、来たぞー! と熱くなっていたのであります。というように胸は熱いのですが、まぁ、寒いこと寒いこと。岬の先端は風が強く、というより強風暴風で、ここでかわいくとかきれいにとか写真撮れる人がいたら奇跡(坊主頭だったらいけるかな)。かつらだったら確実に飛ぶレベルの風でした。

ここに地終わり海始まる

旅の前、20年ぶりくらいに再読してきたのが宮本輝の「ここに地終わり海始まる」。この言葉はポルトガルの詩人カモンイスの叙事詩「ウズ・ルジアダス」の中の「ONDE A TERRA SE ACABAR E O MAR COMECAR」岬に立つ石碑にもこの言葉が刻まれていました。「ここがユーラシア大陸の西の端」この言葉が響くのは、もしかしたらわたしが東の端出身の人間だからなのかもしれません。ツアーに参加した際、ガイドさんにどこの出身かと聞かれて日本だと答えると、「反対側の世界の人だね」と言われたことが印象的でした。西の端っこの国からしたら、日本人は東の端っこの国の人。バスコダガマは東へ行くためにアフリカ大陸の先端希望峰まで回って行ったことを考えるとね。

「ここに地終わり海始まる」の石碑の前で記念写真を撮ってもらえたのもツアーに参加した賜物です。かつらが飛ぶほどの強風の中でのわたしの写真がどうなったか、は、ご想像にお任せします。ものすごい仕上がりだったということだけご報告します。

「ここに地終わり海始まる」

カンボジアもユーラシア大陸。自分が暮らす大陸の西の端っこで、ここから冒険にでかけた大航海時代の人にあやかりながら、50代の船を出航させようと誓いました。と言っても、自分の船は自分で漕ぐがモットーですが。



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