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鬼退治2024 - 季節限定”天然”鬼手長エビを求めて、いざタケオ -

カンボジアのおいしいものの中でも、わたしがとくに気に入っているのが、エビ。ただのエビじゃあございません。手長エビ。そんじょそこらの手の長さじゃあございません。「鬼」手長エビ。”鬼退治”と銘打って鬼手長エビを存分に食べる日帰りトリップ、今年も行ってまいりました。

天然ものと養殖もの

食いしん坊のくせにたいして食に詳しくないわたしですが、カンボジアの淡水の鬼手長エビにはしっかりハートを射抜かれていまして。2008年12月に旅行で2度目のカンボジアに来た際に食べたそれがずっと忘れずにいて、こちらに住んでからもチャンスがあれば食べたいと思っているのです。が、エビにもやっぱり旬があり、12月と1月以外は天然ものが減り養殖ものになってしまうのです。カンボジアで鬼手長エビを食べるなら、狙うは、12月と1月、はい、今でしょう! ということで、1月吉日日曜日、プノンペンから車で2時間弱、鬼手長エビの名産地タケオ州まで女性4人でえっこら鬼退治に出かけて行ったのです。

鬼退治の前に鬼と対峙

鬼だろうが手が長かろうが、しょせんエビでしょう。プノンペンのレストランでも食べられるんじゃないの? と思ったあなた、ちっちっち。まず、自分の目で生の鬼を見て、相手がどんな鬼であるのか見定めるところからはじめるには、現場に出向く必要があるのです。今回の鬼も立派なハサミにひきしまったがっちりボティ、なかなかの強敵そうです。

キロ単位で注文する鬼手長エビ。大きい物だと1キロで5匹程度。

半端なくブリンブリン

敵を見定めたあとはどう退治するかを店員さんに伝えるのですが、今回は、鬼手長エビエキスパートとご一緒だったので、スープと焼きでお願いしました。それから、鬼だけを相手にすると疲れるので、空芯菜炒めを箸休め的に注文したのと、戦いのエネルギーにはやっぱりビールですよね。白いご飯も忘れてはならないのは、エビのエキスがあますことなく滲み出たスープは、白いご飯にかけて食べるのが、鬼退治勝利への秘策なのです。焼かれて出てくる鬼は、まっかになってカンカンに怒っているようですが、頭をぺろっと剥がすと濃厚な味噌がとろ〜んと出てきます。これをしゃぶって吸い込むのが至福。不注意なわたしは大事な味噌をズボンにべっとりと落とすという失態をおかしましたが、めげることなく殻を剥いて、引き締まったボディにかじりつきました。

焼かれて真っ赤に変身して登場した鬼手長エビ

歯応えが半端なく、ぷりんぷりん、いや、ブリンブリンとしています。ひとたび鬼手長エビに立ち向かうと、ビールも進まず勝利をこの手につかむまで縦横無尽にかぶりつくしかありません。

かじりつくときに、ぶりんぶりんと音がしそうなほど引き締まった身

「顔が汚れてるよ! 」と友だちに言われてほっぺを触ると、乙女の顔面に味噌がぺっとりと。そこからはわたしの鬼退治への真摯な姿勢が垣間見れるのでした。

年に一度の贅沢な大満足

「ひゃー、うまい」と何度漏らしたか知りませんが、「うまい」と言った時点で、わたしたちの鬼退治は大成功! ことしも鬼退治に来られてよかったと大満足しながらタケオを後にし、プノンペンに戻ったのでした。朝のんびり家を出て、明るいうちに帰ってこられる日帰りトリップはちょうどいいものですが、そこにおいしいものがあると、気分の盛り上がりは倍増。去年も今年も伺ったレストランはStung Takeo Restaurant。「来年もまた来ましょう」と約束しながら今日の鬼退治は幕を閉じたのでした。いつでも食べられるのではなく、期間が決まっているからこその充足感なのかなとも思います。エビの汁っぽいものを数滴Tシャツにつけて帰ってきてしまったわたしですが。これは戦いの返り血ってことで。ただ、白いTシャツは鬼退治には向かないということをお伝えしておきましょう。

食べるためだけに行って帰ってきてもよかったのですが、行きにはTonle Batiという遺跡に立ち寄り、観光も交えてみました。観光地のように人もおらず、これはこれでよかったです(入場料2ドル)。

トンレバティのタプロム寺院

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