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22年を想い10年ぶりに訪ねたニュージーランド - 静岡のようなニュープリマス -

数字にびっくりしているのですが、22年前にインターンシッププログラムでニュージーランドに派遣されて9ヶ月暮らしたことがあります。パーマストンノース(北島)→ニュープリマス(北島)→ウィンチェスター(南島)と移動した中で、いちばん長かったのがニュープリマス。おそらく4回目ですが、今回は10年ぶりに訪ねました。

カンボジアからニュージーランドは大人システムを採用

2001年11月に日本に戻ってから、2003年に母を連れて訪ね、2007年にブラック企業を辞めてから1ヶ月くらい放浪したくて訪ね、2012年にホームステイ先の娘さんの結婚式のために訪ねたのが10年前のこと。この後、訪ねたいなと思ったらパンデミックの風が吹き、2023年11月、カンボジアの水祭り休暇を利用して、えいやー! とやってくることができました、ノスタルジックニュージーランド。日本にいたころは、直行便もあるし、それほどハードルが高い場所ではなかったのだけど、カンボジアからだとなかなか大変。LCCを利用すると、バンコクかマレーシアあたりにプラスしてオーストラリアのどこかを経由するというコースになり、40時間くらいかかります。休暇は7日間しかないからもたもたしていれらない。スカイスキャナーをこねくり回して、知り合いの旅行会社の手を煩わせ、結局最後はシンガポール航空の公式サイトから直で買うという、「お金で時間を買う大人」システムを採用。給料1ヶ月分ちかくの大枚を叩いて手に入れたチケットを握りしめ(実際はEチーケットだからものはないのでまさにエアーチケット、笑)プノンペン空港からシンガポール経由オークランド空港への旅に出ました。行程はきわめて快適。大人システム大成功。

強いぜJAPAN Passport

シンガポール空港ではチーズを齧ってワインを飲んでおしゃれなふりをしながら4時間のんびりとラウンジでトランジットを待ち、オークランドまでは10時間の旅でした。夜間飛行なのでほぼ寝ていて、よくわからん時間に2回も機内食を食べさせられていたら到着。オークランドの入国審査では、知らずに長い列に並んでしまったのですが、途中で「お前はどこのパスポートだ?」と聞かれ、日本だと答えると、GO! と、電子承認のレーンに移動させられ30秒で終了。なんだ、最初から並ばなければ時間をセーブできたのだと思いながら、入国。12ヵ国だけ、この待遇があるそうです。SIMを買うのも両替も空いていてするっと完了。バンコクみたいに入国のために待ちに待つ、シンガポールみたいに端末に詳細を入力、といったストレスはまったくなしです。ただ、気をつけないといけないのが、NZeTAというのに事前登録しておかないといけなくて(登録すれば2年間有効)、承認に10分から最大72時間かかるそうです。わたしは1週間前くらいにやっておきましたが、10分で返信が来ました。

ニュープリマスまで車の旅

22年前、インターンで小学校で働いていたのですが、ひとりの先生の家族の家でホームステイをしました。その家族に会いに行くのが今回の旅の目的でもあります。10年前に結婚した長女はオークランドに住んでいますが、お父さんとお母さんと末っ子はニュープリマスにいます。お父さんがたまたまオークランドでミーティングがあって、その後長女の家に泊まり、わたしの入国に合わせてくれたので、お父さんがオークランド空港まで迎えに来てくれました。なんというホスピタリティ、そして偶然。何かのチャリティに使うらしいド派手なステッカーが貼ってあるVWのGolfに乗って、5時間の旅。オークランドの街の渋滞を抜けると車窓からは、樹木、草原、羊、牛、が続きます。それしかないです。道路は高速道路であっても結構なアップダウン。ニュージーランドは自然を愛し、堅実に保護している国。自然保護区が各所にあります。だから、トンネルがほぼないんです。自然の中に穴を掘ることで生態系に悪い影響を与えるということを避けるからだそうです。優しいね。けれど、車酔いのある人にはあまり優しくない国であることは確か。わたしは幸い船と酒以外には酔いませんので安心。こんなだったっけ? と驚いたのが、夜の8時でも明るいこと。6時間の時差もあってわたしの体はいつまでも昼間のままで、それに視界が合わせてくれているんじゃないかってくらいでした。途中でコーヒーを飲んだりフライドポテトを食べたりしたので、家に到着したのは、夜の9時を過ぎました。

静岡のようなニュープリマス

到着した日は挨拶もそこそこでストンと寝てしまいました。2日目は、ほぼ終日街に出て買い物をすることに。というのも、カンボジアから来たわたしが完全に夏の人だったからです。場違い。遠い記憶では、11月の終わりってもう夏だった気がしたので、暖かい服は持たずに来てしまいました。ところが、日本が異常に暑さが続いたというのと同じで、南半球では異常に寒さが続いたのだそうです。気候変動の影響でしょうか。5月から10月の終わりまで、暖炉に火をいれていたというのだから。ということで、お母さんが車で、何件も何件もセカンドハンドショップやアウトドアショップやスポーツショップを巡ってくれて、わたしがこの気温に適合できるブツの入手に協力してくれたのです。はぁ、なめておった、わたしときたら。最高気温が15℃から18℃、常夏のわたしには底冷えの気温です。ただ、日本から来る人にとっては、トロピカルって感じるのかもしれませんね。起点がカンボジアというのが完全にアダとなりました。
ニュープリマスには、タラナキ山(タラナキはマオリ語、英語ではエグモント山)という富士山にそっくりな山があります。頭に雪をかぶったこの山と、暖かいような寒いようなこの気候、なんだか静岡にいるような、そんな気持ちになります(山梨でなくてごめん)。

2日目を不毛な買い物で終えてしまったわたしですが、念願の本場のフィッシュ&チップスを夕食に、 ニュージーランドビールで寒いけど温かな気持ちになりました。



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