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1400年前の浪漫からはじまった2023 - サンボープレイクック遺跡 -

1月1日に世界中で1年進むわけですが、その日をどう過ごしたかは千差万別。コタツでのんびりした人も、飲み明かした人も、お仕事の人も、いつもの日曜日だった人もいると思うのですが。わたしは、プレシャスな遺跡の旅に行ってまいりました。

案内人は、プレアンコールの遺跡に愛を注ぐ人

わたしが住んでいるカンボジアで有名な遺跡といえば、アンコールワット。世界中から観光客が目指してくる世界遺産です。アンコールワットは日本の平安時代、鳴くようぐいす平安京のころに栄えた寺院群の遺跡。平安時代の前に奈良時代や飛鳥時代があったようにカンボジアにもアンコールの前の時代が当然あって、プレアンコールと呼ばれています。2023年の元旦は、プレアンコール遺跡の一つであるサンボープレイクック遺跡を巡りました。2017年にカンボジアで3つ目の世界遺産に登録された遺跡ですが、世界遺産になるずっと前からこの遺跡と周辺のコミュティとともに生きて愛を注いできた日本人の女性がいます。その方が今回、遺跡の案内人をしてくださったのです。ね、これがプレシャスにならないわけがないでしょう?

これまでのサンボープレイクックはなんだったんだろう

サンボープレイクックはカンボジアの真ん中に位置するコンポントム州にあって、プノンペンから3時間程度のアクセスがそれほど悪くない場所にあります。それもあってこの5年の間に2回ほど訪れる機会がありました。1回目は2018年、世界遺産に登録されて1年も経たなくまだそれほど整備されていたかったころ。2回目は2019年に大学院のフィールドワークでプレアビヒア州に行った帰りに教授とクラスメイトたちと。ということで今回が3回目の訪問。
ところがです、ところがよ、今回の訪問はすべてが「はじめて物語」でした。考えてみたら1回目は「世界遺産になった遺跡」ということだけに萌えていた世界遺産マニア根性で楽しんだだけ(じつはわたし、世界遺産検定1級を持っているのであります)。2回目はクラスメイトたちと写真を撮りまくっていただけ。遺跡のことなどまったく知らずにいて、3回目にしてようやくサンボープレイクックのことを学ぶということになったのです。最初の2回はなんだったんだろう・・・。

森と一緒に生きている遺跡

サンボープレイクックには約300の寺院が点在しているそうです。約1400年前のプレアンコール時代、この地には王朝があって、古代都市に隣接してヒンズー教寺院群がありました、これがサンボープレイクック。ヒンズー教は多神教で神様が社会を成していたという面白さがあるんです。生々しいというか人くさいというか。ギリシャ神話や日本の神道に通じるものがあるなぁと思います。そんな脇道に逸れた話が相まって遺跡巡りの楽しさが増すのでした。それはさておき、この遺跡は森と一緒に生きている、森と遺跡が一体化したそんな感じ。わたしはついつい「かわいい」と表現してしまうのですが、気に入ったのがこちら。

建物は女性の胎内を表していて、生まれ直しをする場所なんだそうです

ほら。樹木と一緒に生きている感がなんとも言えないかわいさ。ずっと見ていられます。

なんだかラピュタみたい

いろいろな側面から遺跡の歩き方や見方を解説していただいたのですが、心がふわ〜っとなったお話しが”フライングパレス”と呼ばれるレリーフ。八角形の寺院の壁面に、寺院の全体像を模したような彫り物がありました。

フライングパレスと呼ばれるレリーフが綺麗に残っている建物

よく見ると、一番下の段に翼を持った人なのか生き物なのか神様なのかなんなのかが全体を支えています。つまり、建物が浮いている? ということみたいです。だから”フライングパレス”。ここで思ったのが、「まるでラピュタじゃん」。気持ち的にはバルス! 浪漫ポイントは数々あったのですが、ここ、わたしの萌えポイントでした。

浸透力半端なし、未だ遺跡の余韻から覚めず

こうして元旦は、午前いっぱい(昼を若干越えて)1400年前の浪漫にどっぷりと浸ったので気持ちに沁みてきた浸透力が半端なく。未だ遺跡の余韻から覚めずにいて書きたいことはたくさんあるのですが、わたしは遺跡のことが詳しくないので、ブログらしく自分の勝手な思いを書いてしめくくりたいと思います。

遺跡を歩くなら、その遺跡に愛がある人のご案内があると、最&高である!
おあとがよろしいようで。

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